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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第100話:若者たちの訓練について
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のかな・・・」

フェイトにも自分の考えを否定され、なのはは弱気な表情を見せる。

「私はなのはの考えに賛成です」

その時、シグナムが落ち着いた口調で、なのはへの賛意を表した。
はやてとフェイトは意外だったのか、わずかに目を見開く。
かく言う俺も少々意外だった。
シグナムは周囲の反応を意に介していないかのように、
落ち着き払って話を続ける。

「主はやてやテスタロッサの考えは正論でしょう。
 私もそう思わないではありません。
 ですが、フォワードの4人は我々の部下であり、仲間です。
 以前いた部隊でも、このような場合は全力でサポートしていました」

「ほかの部隊がやっとるからって、私らがやってもええっていうことには
 ならんやろ」
 
「仲間を助けるのがそんなに悪いことですか?」

「そうは言わんけど・・・」

はやては言い淀み、わずかにその目を泳がせる。
そして、はやての目が俺の目を捉えた。

「ゲオルグくん。さっきから一言もしゃべってへんけど、
 ゲオルグくんの意見はどうなん?」

「特に言うことはない」

「そんな・・・」

その時、はやての机の上にある端末が音を立てた。
立ち上がったディスプレイには、グリフィスの顔が映っている。
はやてはグリフィスと二言三言交わすと、通信を切った。
その顔は、苦虫をかみつぶしたような表情をしていた。

「本局の捜査部からお呼び出しや。今すぐ行かなあかんから、
 この話はまた今度っちゅうことで」

部屋の中にいる全員が頷く。
ぞろぞろと艦長室から出ていく人の列に続いて、俺も艦長室を出た。
すぐ隣の副長室に足を向けた時、背後から肩を掴まれた。
振りかえると、フェイトが無表情に俺を見つめていた。

「ちょっといい?」

「なんだ?」

「話したいんだけど」

「なら、俺の部屋に来るか?」

「うん」

フェイトの返事を聞き、俺はフェイトを伴って副長室に入る。

「まあ、座れよ」

俺がソファに座るよう勧めると、フェイトは神妙な顔で頷き
部屋にあるソファに腰を下ろした。
俺は2つのカップにコーヒーを注ぎ、それを持ってフェイトのいる
ソファに向かった。

「どうぞ」

「うん。ありがと」

フェイトは俺が淹れたコーヒーをひと口飲むと、フェイトの表情が
わずかに緩む。

「おいしいね。このコーヒー」

「だろ?実は前にいい豆を売ってる店を見つけてな」

「へー、いいね。私にも教えてよ」

「ああ、いいぞ。後で地図をメールで送っとく」

「ありがとう、ゲオルグ」

そう言ってにっこり笑ったフェイトだったが、次の瞬間には
硬い表情へと戻っていく。

「で、ゲオル
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