暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueTアムル復興頑張りますっbyアムルの愉快な住民
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ーニャってばまだ24歳なのに、

最北部地方(クイックヴォルン)から最南部地方(ラキシュ)にまで1人で引っ越してきた変わり者なんだよね〜」

わざわざイリュリアっていう危ない国の国境近くのラキシュ領はアムルにまで引っ越してきた。これを変わり者と言わずして何て言うんだろうね。変わり者じゃなかったらただの「馬鹿だね♪」あははっ。

「だ〜れが変わり者で馬鹿だって〜?」

「痛いっ?」

後ろから聞こえたそんな声と一緒にゴツンと頭に振り降ろされた拳骨。頭を押さえて振り返る前に、声とその言葉で誰だか判っているから「ターニャ、何するの!」プンプン怒る。

「なんでエリーゼが怒るの!?」

ガーンと後ずさったターニャはすぐに「あなたが怒るのは筋近いでしょ!」ってわたしの顔を両手で挟み込んで、頬をグニグニ捏ねてきた。顔を潰されて気分が良いわけじゃない。だから「ひゃめてぇ〜〜」抗議する。でもターニャはわたしの両頬を捏ね繰り回すのを止めない。それどころか「あなただけ追い出してもいいんだよぉ〜」なんて言ってきた。

「今あなた達を住まわせている家の主は私。家主権限で、あなた独りだけ庭に追い出して、天幕暮らしさせてもいいんだよ♪」

「ひょめんなひゃい(ごめんなさい)」

うん、素直に謝ろう。一人寂しく庭先で天幕暮らし。家の窓から見えるのは、昼夜を問わずみんなの幸せそうな一般生活。想像しただけで泣く。と言うかもうわたしの右目から涙がポロッと零れた。どれだけ惨め?
わたしが謝ったことで「よろしい」って満足そうに頷いたターニャは、ようやく手を離してくれた。さすさすと自分の頬を擦りながら「酷いこと考えるよね、ターニャ」って睨む。

「先に酷いことを言ったのはあなたでしょうが。で? 私の何が変わり者で馬鹿で美人だって?」

「美人って言った覚えなんて――」

「ん?」

妙な威圧感を感じ取ったから「うん、ターニャは美人だよね」首肯しておく。また満足そうに頬を緩ませるターニャに、「でもさ――」さっき考えていたことを話す。ターニャがどうしてアムルに引っ越して来たのか。返ってきた答えは単純至極。

「クイックヴォルンの環境がどれだけ過酷か知ってる? 年中寒いの、雪降るし。しかもイリュリアと同じように敵対国との国境だったし。それなら比較的暖かくて、王都に近い南部にしようって思ったわけ」

北部と南部両方に敵国に挟まれてるシュトゥラ。でも、その状況もつい先日で大きく変わった。イリュリア戦争。大国イリュリアを相手に、シュトゥラ、三連国バルト、ガレア、シュヴァーベン、ヘルウェティア、ヴィンランドの同盟8国(アウストラシアの一部戦力が加わったけど)が始めた戦争。
その結果イリュリアは敗れた。敗戦宣言も、新しく王になったバルデュリ
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