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札幌の廃墟
第五章
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「そのままさっさとね」
「潰れろよね」
「それで廃墟になるかね」
「取り壊しね」
「もうそれしかないでしょ」
 札幌ドームの未来はというのだ。
「あのままあってもね」
「札幌市の負担だしね」
「あるだけ邪魔だし」
「誰も使わないのに敷地ばかり占領して」
「最初はね」
 澄香は表情を普通のものにさせてこうも言った。
「札幌にもドーム球場が出来て」
「サッカー場にも使える」
「そう言われてね」
「大好評だったわね」
「けれどね」
 最初、建設された時はそうだったがというのだ。
「それがね」
「ああしてね」
「碌でもないことばかりして」
「それでよね」
「今やああよ」
「誰も使わなくなって」
「批判ばかりされてるね」
 そうしたというのだ。
「碌でもないところになったわ」
「そうよね」
「もう相当以上なことがないと」
 それこそというのだ。
「あそこが復活することはね」
「ないわね」
「ある筈がないわ、このままいったらね」
「廃墟か取り壊しね」
「どっちかよ」
 こう友人に言った。
「そしてそれはね」
「自業自得ね」
「そうよ、まあ廃墟になっても取り壊されても」 
 どちらの未来でもというのだ。
「日本ハムファンとしてはね」
「ざま見ろなのね」
「そう思うわ」
 こう言うのだった。
「馬鹿なことしてるとね」
「ああなるっていうことね」
「そうよ、まあコンサートメインでやるって言ってるそうだけれど」
「使う人なんて稀よね」
「それよりもね」
 札幌ドームを使うよりというのだ。
「むしろね」
「東広島ね」
「あっちの方がいいでしょ」  
 こう友人に話した。
「むしろね」
「そうよね、評判の悪い札幌ドームよりもね」
「東広島でしょ」
「そうなるわね」
「設備も経営も見通しも評判も悪いなら」
「自分達でそうさせたならね」
「もうね」 
 それこそというのだ。
「誰もね」
「使わないわね」
「それを見られるから」
「札幌に残るのね」
「もう毎日でもね」
「見ていたいのね」
「その都度ざま見ろと思って」
 それでというのだ。
「幸せにね」
「思うのね」
「そうもしたいから」
「今の環境もいいし」
「札幌に残ることにしたのよ」
「そうだったのね」
「よく考えて絶対にそうなるってね」
「思ったのね」
「滅茶苦茶あれでもない限りわかるでしょ」
 それこそというのだ。
「ああなるって」
「日本ハムが出て行った時点でね」
「そんなこともわからないからああしたし」
「それでああなったら」
「未来なんてね」
 札幌ドームのそれはというのだ。
「わかったから」
「それでなのね」
「残ることにしたのよ、ただ東広島にいい
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