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ドリトル先生と山椒魚
第九幕その六

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「君は幾つかな」
「四百五十二歳だよ」
 半次郎さんは答えました。
「その間ずっとここにいるんだ」
「そうなんだね」
「ほら、兵庫県には昔黒田官兵衛さんがいたね」
「あの人は元々こちらの人だからね」
「元々は小寺って苗字でね」
 それでというのです。
「ここで暮らしていたけれど」
「お会いしたことあるのかな」
「あの人にはないよ、又兵衛さんにお会いしたことがあるよ」
「後藤又兵衛さんだね」
「うん、大坂の陣で活躍したね」 
 半次郎さんは先生に昔を懐かしむ暖かい笑顔でお話しました。
「あの人は元々黒田家の家臣でね」
「こちら出身だったね」
「けれど黒田家を出てね」
 そうなってというのです。
「あちこち旅をしていた時もあって」
「その時になんだ」
「故郷に寄ったことがあって」
「ここにも来たんだ」
「そうしてきてね」
 それでというのです。
「ここに釣りに来たこともあったんだ」
「そうだったんだ」
「それでお会いしたんだ」
 その後藤又兵衛さんと、というのです。
「釣りに来てね」
「ここまでなんだ」
「そうなんだ、僕に気付いたけれど」
「どうだったのかな」
「どうだ調子はってね」
 その様にというのです。
「豪快な笑顔で言ってきたよ」
「そうだったんだね」
「いい人だったよ」
 後藤又兵衛さんはというのです。
「僕は釣らないと言ったし釣るのも食べる分だけで」
「弁えている人だったね」
「そうだったよ」
 こう先生にお話します。
「僕が見る限りね」
「あの人大坂の陣で戦死したっていうけれど」
 お静さんも言ってきました。
「実は違うのよね」
「奈良県の方に逃れたというね」
 先生はすぐに応えました。
「そうだね」
「ええ、そうよね」
「宇陀の方に逃れて」
 そうしてというのです。
「そこに桜が残っているよ」
「又兵衛桜ね」
「伝説だけれどね」
「あそこまで逃れて」
「そうして生きていたのよね」
「そうみたいだね」
「大坂の陣のお話は僕も聞いてるよ」
 半次郎さんも言ってきました。
「羽柴家負けたね」
「今羽柴家と言ったね」
「言ったよ、豊臣家とはね」
「言わないね」
「だってあれ本姓だから」
 その為にというのです。
「僕もだよ」
「そうは呼ばないね」
「それを呼ぶのは失礼だからね」
 その為にというのです。
「普通の姓のね」
「羽柴氏の方でだね」
「呼んだよ、それで右大臣さんともね」
「秀頼さんを呼ぶね」
「秀頼さんというのは諱だからね」
「普通では呼ばないお名前だから」
「呼ばないよ」
 半次郎さんもというのです。
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