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第十一話 地夢その十

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「そうでした」
「そうだね、けれどね」
「それでもですね」
「変わったね」
「はい、庚さんがです」
 地の龍達を束ねる彼女がというのだ。
「??君にです」
「殺さない様に言ったね」
「そうしてです」
「彼も手加減したからね」
「深い傷を負いましたが」
 鏡護、彼はというのだ。
「ですがそれでもです」
「生きてるよね」
「そちらに別条はありません」
「運命って変わるのよ」
「あの人を見ても言えますか」
「むしろ運命に立ち向かって」
 そうしてというのだ。
「変えることがね」
「大事ですか」
「悪い運命ならね、このまま勉強しないと落第なら」
「勉強してですね」
「落第しない様にするね」
「それもまた、ですか」
「運命を変えることだよ」
 こう牙暁に話した。
「個人的なことだけれどね」
「そうなのですね」
「実際私もね」
 北斗は自分自身のことも話した。
「お勉強してね」
「そうしてですか」
「落第しなくて済んでいたし」
「確かクランプ学園ですね」
「そう、あの学校に通っていたんだ」
 出身校の話もした。
「それでね」
「そのうえで、ですか」
「沢山遊んだけれど」
 それと共にというのだ。
「お勉強もね」
「されていて」
「落第しなくて済んでいたから」
「今こうしてですか」
「言えるのよ、本当にね」
 実際にと言うのだった。
「だからね」
「運命は変えられる」
「そう言うわ、だからこの戦いも」
「運命を変えられる」
「そうね」
「それが北斗さんのお考えですね」
「そうだよ、だから牙暁君もね」
 その彼にも言った。
「絶望しないでね」
「そのうえで」
「見ていこう、きっとこの戦いは悪い結果にならないよ」
「人間にとっても地球にとっても」
「両方ね」
「そうですか」
「牙暁君私のことも悪い結果に終わったと思ってるわよね」
「はい」 
 目を閉じて悲しい顔と声になって答えた。
「まことに」
「今私ここにいるしね」
「魂だけとなり」
「普通はそう思うね、けれどまだ終わってないから」
「彼と星史郎さんのことは」
「そう、私のこともね」 
 自分が死んでもというのだ、北斗は迷いなぞ一切見せずそのうえで牙暁の前に立って笑顔で語るのだった。
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