第二百八十九話 チェサビーク湾海戦その七
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「こっちはまだまだ満足出来ん技術でもな」
「それでもですね」
「単葉機です」
「しかも数はこちらの方が倍は上です」
「それならですね」
「全くちゃう、その優位性も活かしてな」
そうしてというのだ。
「戦うで、まずは機雷を撒かさん」
「そうしますね」
「しかし機雷が撒かれたら」
「その時は」
「その時の対策も用意してある」
メルヴィルは将兵達ににやりと笑って答えた。
「飛行艇あるな」
「あれを用いてですか」
「そうしてですか」
「機雷に対しますか」
「機雷は触れたら爆発するからな」
このことは地雷と同じだ、触発することによって爆発を起こしそのうえで敵艦にダメージを与える兵器であるのだ。
「そやからな」
「そうですか、飛行艇からですね」
ジェーンがその話を聞いて言った。
「その触発物をですね」
「空から撒いてな」
「そうして触れさせて」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「機雷を防ぐんや」
「撒かれる前に撃墜して」
「撒かれてもな」
例えそうされてもというのだ。
「それでもや」
「その様にしてですか」
「備える、敵の手の一つを封じればな」
「それだけ優位に立てますね」
「そや、やったるで」
こう言ってだった。
メルヴィルはまずは艦載機だけでなく陸上機も用いてそのうえで今まさに機雷を散布しようとするホーソーンが率いる軍の爆撃機に対して攻撃を仕掛けた。
その爆撃機をグリフォンの背から見てだ、メルヴィルは言った。
「やっぱりな、こっちから見たらな」
「旧式と言いますか」
グリフォンも見て言った。
「かなりです」
「技術レベルが落ちるな」
「そうですね」
「これやとな」
「勝てますね」
「かなりの数を撃墜出来るわ」
「護衛の戦闘機も」
見れば複葉機だった、それを見て言うのだった。
「数も少ないですし」
「複葉機や」
「そうですね」
「やっぱり単葉機と複葉機やとな」
「性能に違いがありますね」
「そや、それでや」
まさにと言うのだった。
「ここはな」
「機雷の脅威はこの時点で、ですね」
「かなり軽減出来る、そしてな」
そのうえでと言うのだった。
「撒かれた分もな」
「そちらもですね」
「しっかりとな」
こちらもというのだ。
「飛行艇からや」
「触発するものを撒いて」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「抑えるで」
「わかりました、では」
「攻撃開始や」
こう言ってだった。
メルヴィルはグリフォンの背からだった。
航空機隊を率いてその指揮を執りつつ命じた、そして自分自身もだ。
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