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とある星の力を使いし者
第167話
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当に全部話すつもりはない。
なので、適当にはぐらかしながら。
でも、言いたい事はちゃんという事にした。

「お前は自分の人生が決められていたらどうする?」

「はぁ?」

あまりに突拍子もない質問に制理は眉をひそめる。
それでも、麻生の眼は冗談を言っているような目ではなかったので、真剣に考える。

「笑う事も泣く事も怒る事も、作家が本を書くように、予め決められていたとしたらどうする?」

「・・・・・・・・もしかして、そんなくだらない事で悩んでいたの?」

「はっ?」

割と本気で悩んでいた事を、制理はくだらない事と言い捨てた。
あまりの予想外過ぎる発言に、唖然としてしまう。

「恭介の言うとおり、人生とか私の考えだとか、そういう事が全部決められているとしましょう。
 決められていたとしても、その生き方を選んだのは自分の意思なんでしょう。
 操り人形の様に、自分の意思ではないのなら、そりゃあ納得いかない。
 でも、自分が決めた道ならそれを信じて進むわ。
 それが誰かに決められたレールの上だったとしてもね。
 私自身が決めた道だから。」

制理の言葉を聞いて、少しだけ呆気にとられてしまった。

「つっても、一寸先は闇。
 誰も先の事なんてわからないモノよ。
 だから、深く考える必要なんてないでしょ。」

さっきまでの言葉が台無しになるような事を言う。
呆気にとられていた麻生だが、その言葉を聞いて。

「ぷっ!・・・・・あはははははははは!!!!」

いきなり噴き出したかと思うと、大声で笑い始めた。
不機嫌になったり大声で笑い出したり、気がどうかしたのかと、制理は心配になってきた。
落ち着くまで笑った麻生は未だに笑みを浮かべながら言う。

「そうだな。
 深く考える方が馬鹿だったな。」

そう言って、近づくと優しく抱きしめた。

「ふあっ!?
 ほ、本当にいきなりどうしたのよ!?」

いきなり好きな男の子に抱き締められたらそりゃあパニックになる。
そんな制理を気にせずに麻生は言う。

「ありがとう。
 本当にお前は俺の救世主だよ。」

それだけ言い終えると、制理から離れる。
離れたら離れたで名残惜しいと感じてしまう辺り、制理も乙女だろう。
さっきまでの険悪な雰囲気はどこかへ行き、いつもの麻生に戻っていた。

「さぁ、帰るか。
 あまり遅くなると桔梗がうるさいからな。」

今度は先へ行こうとはせず、制理の隣に移動して並んで歩くようにする。
それが何だか照れくさく感じた制理は、せめて赤くなった顔を見られないように顔を逸らす。
ふと、麻生が言った言葉が気になったので聞いてみる。

「さっき、私の事を救世主って言ったわよね。」

歩き
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