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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第87話:隔離施設
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親は希代の犯罪者で子供にその片棒を担がせるべく
 生まれたときから教育を施した。
 結果として子供は親の手伝いが世界的な大規模テロに手を染める
 ことになった。
 そう考えればあいつらはずいぶん不運じゃないか」

「そうやね・・・」

はやては微妙な表情を浮かべてそう言うと前に向かって再び歩きはじめたので、
俺もそれに合わせて歩きはじめる。
俺達はそれ以降無言のままムービングウォークの上を歩き続けると、
海上隔離収容施設の入口へとたどり着いた。

もともとは魔導兵器の実験施設として建造されただけあって、
建物は非常に堅牢で、実験場としては使われなくなったあと、
強い力を持つ犯罪者の隔離と更生教育を行う施設として改修されたらしい。

俺自身は情報部時代にここに収容されていた犯罪者から話を聞くために
何度か訪れたことがある。

ムービングウォークを降りると、いくつかのドアをくぐって
隔離施設の入口にたどりつく。
ここから先には一切の武器の類の持ち込みは禁止されているため、
デバイスはここでロッカーに預ける必要がある。
俺は待機状態のレーベンを首から外すとロッカーに入れて電磁ロックをかけた。

「ゲオルグくん、早よ行こ!」

声のする方を見ると、はやてが隔離施設への扉の前で手を振っていた。
俺は小走りで移動すると、はやてに声をかけた。

「はやてはデバイスどうしたんだよ?」

「ん?置いてきたよ。めんどいし」

きょとんとした表情ではやては言う。
俺はそんなはやてに小さくため息をつくと隔離施設への扉を開けた。
隔離施設への入場者が武器や危険物をもっていないか確認するための
スキャニングシステムを通り抜け、隔離施設へと入る。
白い壁に囲まれた通路を進んでいくと、右手に大きな窓が見えてきた。
窓の向こうには芝の敷かれたサンルームのような部屋があった。

「おっ、みんなこんなとこにおるやん」

はやての声に反応して部屋の奥の方に目を遣ると、白い服に身を包んだ
7人の戦闘機人たちが思い思いの格好で座って大きなモニターを見ている。

「あれ?ギンガがあんなとこにおる」

見ると、モニターの横にギンガが立っていて、時折モニターを操作しながら
何かを説明しているようだった。
声は聞こえないので何を説明しているのかはわからなかったが・・・。

「ひょっとして、ギンガが更生プログラムを担当してるのか?」

「かもしれんね・・・。あ、ルーテシアとアギトもおる」

「は?どこだよ」

「ほら、あの銀色の髪の子の横に・・・」

そう言ってはやてが指さす方を見ると、確かに三角座りをしている
ルーテシアとその肩の上に座るアギトの姿が見えた。

「あの子たちも一緒に更
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