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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第87話:隔離施設
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来てるみたいや」

「ギンガが?」

俺が車のドアを閉めながらはやてに尋ねると、はやては頷いて建物の方に
向かって歩き出した。
俺は早足ではやてに追いつくと、改めてはやてに質問をぶつける。

「なんでギンガがここに?」

「知らんよ。私も車を見て気づいたんやもん」

俺とはやては建物に入るとそこにいた職員に声をかけた。

「機動6課の八神です。JS事件の参考人との面会にきました」

はやてがそう言うと、職員は人懐っこい笑顔を向けてくる。

「八神二佐とシュミット三佐ですね。ゲートの方から連絡は受けてますので
 どうぞお通りください」
 
橋の中に敷かれたムビングウォークの上で、俺は戦闘機人たちのことについて
はやてに尋ねることにした。

「なあ、はやて。戦闘機人って何人がここに収容されてるんだ?」

「捜査に協力的な7人やね」

「結局戦闘機人は全部で13人だから・・・半分以上はここにいるのか」

「そやね」

そう言ってはやては小さく頷く。

「そういえば裁判っていつごろ始まるんだ?」

「ここに収容されてる子らの裁判はもう始まってるよ。
 テロ行為の主犯とか共同正犯やなくてあくまで幇助の罪でやけど」

「・・・司法取引か」

「まあそうやね。もうすぐ結審するんやなかったかな」

「早いな・・・」

「まあ、罪状認否で罪を認めとるからね。あとは罪状と取引と情状の
 バランスを考慮して判決を出すだけやから」
 
「情状?」

「スカリエッティっちゅう稀代の犯罪者によって人格形成がなされた
 っちゅうことよ」

「なるほど。まともに育つ機会を奪われたから犯罪に手を染める
 ことになってしまった。っていう判断か・・・」

俺が納得してそう言うと、はやては前を向いたまま頷く。

「そういうこと。ま、甘いと言われれば甘いかもしれんけど・・・」

はやてはそう言うと少し表情を曇らせる。
俺は歩を進めながらはやての考えに思いを巡らせた。

(まあ・・・フェイトも同じような境遇だったしな・・・。
 はやてにしろ闇の書事件の責任を部分的に問われてるし・・・
 その辺を思ってるんだろうな・・・)

「・・・考えてみればあいつらも運が悪いよな」

俺がそう言うと、はやてはその歩みを止めて意外そうに俺を見る。

「運が・・・悪い?」

俺ははやてに合わせて歩を止めると、はやての方に顔を向ける。

「よく言うだろ。”子は親を選べない”って。それと同じじゃないかな」

「親って・・・スカリエッティのことかいな」

俺ははやてに向かって頷くと話を先に進める。

「あいつらにとってはそういうことになるんじゃないか?
 で、その
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