暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第82話:急転直下
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

俺はレジアス・ゲイズ中将が拘束されたという話を聞いて、
驚愕のあまりしばらく思考停止に陥っていた。

「おーい、ゲオルグくん。帰っておいで―」

目の前で手を振りながらはやてがそう言っているのが耳に届き、
俺はようやく自失状態から覚醒する。

「ゲイズ中将が拘束されたって・・・なんで!?」

「ちょっと話はさかのぼるんやけど、2か月くらい前やったかな。
 シンクレアくんがどうしても気になるからって、最高評議会を探った時に
 ちょくちょく来てた女がおったやろ?アレを特務隊の人らに探らせてたんよ。
 で、地上本部の襲撃事件のときに戦闘機人のデータが一杯とれたから
 女をサーチしてみたら反応パターンが戦闘機人のと酷似してたんやて。
 で、シンクレアくんの命令で、特務隊が最高評議会を張ってたら、
 ゆりかご浮上の直前にのこのこと女が現れたから即拘束。
 同時に、最高評議会のお歴々への聴取によってゲイズ中将とスカリエッティの
 関係について証言が取れたから、査察部がゲイズ中将を拘束しに
 向かったんやけどな、ちょうどゼスト・グランガイツが中将の部屋
 に乗り込んで来てて、ひと悶着あった末に無事拘束っちゅうわけよ」

「はぁ・・・そんなことがあったのか・・・」

俺は、絵に描いたような劇的な逮捕劇に唖然としてしまった。
が、ひとつの疑問が心に浮かぶ。

「ゼストはどうなったんだ?」

俺が尋ねると、はやては急に苦々しい表情になる。

「ゼスト・グランガイツは・・・死んだんよ」

「・・・え?」

俺が茫然としていると、はやてがぽつぽつと話し始める。

「詳しいことは現場におったシグナムにでも聞いてほしいんやけど、
 中将が拘束された後にすぐ息を引き取ったそうや。
 詳しいことはよう判らんけど、ゼストとずっと一緒におったらしい
 アギトっちゅうユニゾンデバイスによれば、ゼストは7年前の事件で
 一度亡くなってるらしいんよ」

「は?じゃあ、あれはなんだったんだよ」

「話は最後まで聞きって。
 で、スカリエッティの人造魔導師実験の被検体にされたんやって。
 ただ、生命維持に問題があったらしくって、もう限界やったらしいわ」

「そうなのか・・・。あの人の行動原理は一体なんだったんだろうな?」

「判らんけど、ゲイズ中将とは旧知の仲やったらしいから、
 その辺が関係してるんとちゃうやろか・・・」

はやての言葉を最後に3人ともしばらく黙りこんでしまう。
やがて、はやてが気分を変えるように明るい声を上げた。

「ま、それをここでグジグジ考えててもしょうがないって」

「そうだな・・・。で、もう1つの話ってのは?」

「そうやね。じゃあ、フェイトちゃん」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ