第八十三部第二章 撤退の果てにその五十一
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「ありますね」
「はい、ですから」
「マウリアも仕掛けてくる」
「この可能性を考えて」
そうしてとだ、八条は話した。
「そのうえで」
「ことを進めていくべきですね」
「さもなければ」
そうでなければというのだ。
「防げないです」
「マウリアの工作は」
「この件はジャバル副主席が指揮を執っています」
八条はもうこのことを知っていた、連合でも人気のある彼がとだ。
「あの御仁はこうした謀略もです」
「得意ですか」
「それもかなり、政策や事務処理能力もかなりですが」
「謀略もですか」
「かなりです」
そうした人物だというのだ。
「政治の駆け引きも相当ですが」
「謀略もそうであり」
「警戒が必要ですか」
「あの御仁は連合では人気がありますね」
「マウリアの政治家です」
他国にはエウロパを敵視する以外さして関心を持たない連合市民達の中でも人気があるということだ。
「アウトカースト層からマウリアの国家主席に至った」
「連合は差別を嫌います」
「特に階級社会は」
「ヒンズー教の社会もやはりです」
「階級社会ですから」
「連合では同盟国といえど」
そして友好国であるがというのだ。
「それでもです」
「カースト制度は好まれていませんね」
「左様ですね」
「もっと言えば否定されています」
それ程までだというのだ。
「そこまで、です」
「そうですね、そしてです」
「その中でアウトカースト層というと」
「被差別階級です」
「不可触民でしたね」
「他のカーストの者は触れてもいけない」
シュードラまでの普通の階級にある者達はだ。
「そこまで言われていますね」
「そのアウトカースト層の政府の主席であり」
「そしてですね」
「マウリアの副主席までになった」
「人気が出ない筈がないですね」
「連合では」
「全く以てそうですね」
二人でこう話した、そしてだった。
その話をしつつだ、八条は話した。
「しかしです」
「連合では人気があれど」
「彼はマウリアの政治家であり」
そうしてというのだ。
「稀代の謀略家でもあります」
「政治家としてですね」
「稀代の、マウリアの歴史に名前を残す政治家でしょうが」
それでもというのだ。
「あの御仁はです」
「マウリアの政治家で謀略家であり」
「連合に対してもです」
「その謀略を使い」
「技術を盗み」
今自分達が話している様にというのだ。
「その技術を自国に活かし」
「そうしてですね」
「先程お話した通りに」
まさにというのだ。
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