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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第78話:No.13
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その間に女は俺との間合いを詰めて下から切り上げてくる。
再びお互いのデバイスがぶつかり合い、鋭い金属音が鳴り響く。

(くそっ、受け流すつもりだったのに、身体の反応がワンテンポ遅れる・・・。
 怪我のせいか・・・。マズイな・・・)

両腕に力を込めて女を弾き飛ばすと、右手を女に向けた。

「パンツァーシュレック!」

俺の放った砲撃が女に命中し、爆煙で視界が遮られる。
その間に、俺は艦橋との通信をつなぐ。

「グリフィス!俺だ。聞こえるか?」

俺の呼びかけに、答えは帰ってこない。
しばらく待っていると、通路に広がった煙はだんだん晴れてきて、
女の姿が徐々に見えてくる。

『・・・さん!?ゲオルグさんですか!?』

「ああ、俺だ。今、右舷B−2通路で戦闘機人らしき女と遭遇。
 戦闘状態にある。モニターできるか?」

『ちょっと待ってください・・・はい。モニターできました』

「なら、俺と戦ってる女の反応パターンを過去の戦闘機人と比較してくれ。
 結果が分かったらすぐに教えろ」

その頃には通路の煙は完全に晴れ、女が傷一つ負っていないことが
明らかになった。

「こんなものか・・・」

女は相変わらず感情の浮かんでいない表情でそう呟くと、
俺に向かって右手をかざす。

「ISインビジブルシュート」

女がそう言った次の瞬間、俺は見えない何かに弾き飛ばされ、通路の隔壁に
叩きつけられる。

「がはっ・・・」

俺が床に倒れると、女は俺の方に向かって飛んでくる。
俺は壁に手をつきながら立ち上がると、女の繰り出してくる突きを
レーベンで受け流す。
そして女の側面に回り込むと、丸見えになった背中に向かって
右手を突き出した。

「パンツァーシュレック!」

至近距離から放たれた砲撃は女に命中し、女は先ほど俺が叩きつけられた隔壁に
叩きつけられる。

『ゲオルグさん。大丈夫ですか?』

「大丈夫だ。それより奴の反応パターンは?」

『・・・過去の戦闘機人のパターンと酷似。戦闘機人で間違いありません』

「判った。他の区画は無事か?」

『右舷B−3通路にガジェットが侵入しましたが、現在交替部隊の皆さんが
 応戦中。なんとかなりそうです』

「了解。じゃあ俺はこいつの相手に集中すりゃいいってことか。
 助かったよ」

『いえ・・・お気をつけて』

「はいはい」

俺がグリフィスとの通信を終えると、戦闘機人の女は壁に手をつきながら
立ち上がる。さすがにダメージがあったと見えるが、
その顔はあくまで無表情である。

[《マスター、提案があります》]

[なんだよ]

[《非殺傷設定を解除しましょう》]

[何言
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