暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第75話:アースラ出撃
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「大丈夫やろか?」

「なのはやフェイトとも話したけど、反対はされなかったぞ」

「判った。あの2人がええんやったらええんよ。話は以上?」

「ああ」

俺が頷くと、はやては立ち上がった。
それに合わせて俺も立ち上がり、はやてに背を向ける。

「なあ、ゲオルグくん」

はやてに呼びとめられて振り返ると、はやては真剣な顔で俺の顔を見ていた。

「なんだよ」

「自分で言うたからにはアースラの面倒は最後まで見てや。
 途中でグリフィスくんとかに押し付けるんは無しやで。
 私の言うてる意味、判ってるよね」

「前線には出るなって言ってるんだろ。判ってるよ」

俺がそう言うとはやては満足したように笑みを浮かべた。

「わかっとんのやったらええんよ。ほんならね」



艦長室を出た俺はそのまま艦橋へと向かった。
このアースラをミッド上空に転移させる作業に立ち会うためだが、
実際のところ俺になにか役割があるわけでもない。
実作業はすべてロングアーチの優秀なオペレータ達がやるのだから。
いまは主のいない艦長席の傍らに立つ俺はただの傍観者にすぎなかった。

やがて、艦橋にはやてが現れ俺のそばを通って艦長席に座る。

「転送準備の進捗は?」

はやてが俺の方を見て尋ねる。
俺は手元の端末の情報に目を走らせる。

「機関は始動済み、転送座標の算出も終了。
 あとは、転送先の安全確保が完了すればいつでも転送可能です」
 
「ほんならとりあえずドックから出そか」

「アイ、マム」

俺ははやての方に向けていた身体を正面に向ける。

「出航準備。全ハッチ閉鎖、係留装置解除!」

俺の指示に何人かのオペレータが復唱する。
出航準備の作業が進んでいるなか、はやてが小声で話しかけてくる。

「何?”アイ、マム”って」

「任官した時に配属された次元航行艦の副長が言っててさ、
 一度真似してみたかったんだ」

俺が目線を正面に向けたまま小声で答えると、はやての方からくくっという
抑えた笑い声が聞こえてくる。
思わず俺ははやての方に目を向ける。

「なんだよ・・・」

「いや・・・ゲオルグくんも意外とかわいらしいところあるんやなと思って」

はやては笑いを押し殺しながらそう言った。

やがて、すべてのハッチが閉鎖され、アースラをドックにつなぎとめていた
ロックボルトが外れたことをオペレータ達が報告してくる。
俺は手元の端末でもそれを確認し、はやての方に向き直る。

「艦長。全ハッチ閉鎖完了。全係留装置も解除完了しました。
 出航準備完了です」
 
「了解。アースラ発進!」

はやての掛け声とともに、操舵手を務めるルキノが機関の出
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ