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星河の覇皇
第八十三部第一章 防衛ライン到達その二十二
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「それは軍事知識がないならな」
「尚更ですか」
「その傾向が強くなる」
「軍事に無知であれば」
「そして知っていてもな」
 それでもというのだ。
「生半可であればな」
「同じですか」
「ヒトラーやスターリンはこちらだった」
 先程名が出た彼等はというのだ。
「知識はあったが」
「それが生半可だったので」
「それでだ」
 そのせいでというのだ。
「ああしたことになった、そして最悪なのは」
「それは」
「権限が強く」
 そのうえでというのだ。
「軍事知識もセンスもない」
「そうした人物が介入すると」
「それも自信があるのならな」
「自身の欠点に気付かないまでに」
「そうであったならな」
「最悪の結果をもたらしますか」
「そうなる、そしてマウリアを見ると」
 この国のことをさらに話すのだった。
「クリシュナータ主席はいいが」
「それでもですか」
「ジャバル副主席はな」
 アウトカースト層出身であり今頭角を現わしている彼はというのだ。
「どうもな」
「そうした方ですか」
「政治家としては極めて優秀だ」
 アッディーンはジャバルのその資質を認め話した。
「これ以上はないまでにな、カリスマもある」
「そちらもですか」
「間違いなくマウリアの主席になり」
「そうしてですね」
「辣腕を振るう、しかし軍事については」
 今の主題であるこちらの分野についてはどうかというと。
「アウトカースト層の政府に軍隊はなかった」
「あったのは警察ですね」
「警察は治安特化の組織でな」
「戦争には関わらないですね」
「最初は警察と軍隊は同じだった」
 近代以前はそうであった、その区別は曖昧であり兵士が警官の仕事をしていた国も非常に多かったのだ。
「だから似ている部分は多いが」
「それでもですね」
「警察と軍隊は違う」
「だから警察はご存知でも」
「軍隊はな」
 こちらはというのだ。
「知っているとはな」
「思えないですか」
「その経歴を見てもそうだしな」
「軍隊に関わったことはない」
「連合を旅行した時もな」
 この時もというのだ。
「軍事関係にはな」
「足を向けなかった」
「その様だ、だが」
 それでもというのだ。
「あの御仁は政治家としては誰よりもだ」
「上といっていいですか」
「教養もある、また指導力もあるしカリスマもだ」
「備えておられますか」
「これ以上はないまでに見事な政治家だ」
 政治家として必要な要素を全て備えた者だというのだ、それもそれぞれの要素がこれ以上はないまでに大きいというのだ。
「天才と言っていい」
「政治家として」
「あらゆる分野で能力を発揮出来るしだ」
「政策にもですね」
「それが出ている、軍事は政治の一分野でだ」

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