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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第48話:7月19日
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,いいじゃん外から見るくらい」

俺は手を振り回しながらそう言うなのはを見ながら,小さくため息をついた。

「・・・外からだけだぞ」

「やった!」

パーキングから10分ほど歩いて,俺の実家の前に来た。
なのはは,興味深そうに俺の実家を見ていた。

「おしゃれな家だね」

「そうか?」

「うん。素敵な家だと思う」

「そりゃどうも」

俺はなのはにそう言葉を返しながら,家の中から母さんが出てこないか
心配していた。
なのはは,へーだのふーんだのと言いながら,家の周りを歩きながら,
俺の実家をいろいろな方向から見ていたが,しばらくして俺の方に歩いてきた。

「ね。中も見てみたいな」

「ダメだって言ったろ」

「どうしてもダメ?」

「ダメ」

「けち」

「ダメっつったらダメ。もう行くぞ」

俺は,踵を返して実家に背を向けた。

「あ。ゲオルグくん,待ってよ」

なのはは小走りで先を行く俺に追いついてきた。

「怒った?」

「少し」

「・・・ごめん」

「別にいいよ」

俺となのはは並んで住宅街の中を歩いて行く。
しばらくして,なのはが話しかけてきた。

「ねえ,ゲオルグくん。今どこに向かってるの?」

「腹減ったろ?昼飯食いに行こうよ。近くにいい店があるから」

「いいね。行こ行こ」

5分ほど歩くと,目指すレストランが見えてきた。
入り口のドアを開けて入ると,店の中は7割くらいの席が埋まっていた。

「いらっしゃい・・・あら?あんたは確か・・・」

店のおばさんがそう言って少し考え込んでいた。

「覚えてないの?エレーヌさん」

「思い出した!シュミットさんちのゲオルグくんだね。
 久しぶりじゃないの,ちっとも顔を出さないで」

「仕事が忙しくてね」

「そういえば,管理局に入ったんだったね。大変ねえ」

エレーヌさんはそう言うと,俺の後ろにいるなのはに気がついた。

「あら,可愛い子。ゲオルグくんの彼女?」

エレーヌさんはニヤニヤと笑いながら聞いてきた。

「違うよ。友達で同僚。たまたま近くを通りかかったからさ」

「そうなの?お名前は?」

「あの,高町なのはといいます」

なのははエレーヌさんの勢いに押されたのか,少し小声になっていた。

「なのはちゃんね。いいお名前ね」

「ありがとうございます」

「そうだ,ゲオルグくん。席は窓際でいい?」

「うん」

「じゃあこちらにどうぞ」

そう言ってエレーヌさんは店の隅にある窓際の席に俺達を案内してくれた。
俺は奥側の席の椅子を引くと,なのはに座るように促した。

「ほら,座りなよ」


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