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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第27話:ゼスト・グランガイツ
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あれは,そう。俺がまだ士官学校の生徒だったころだったな。
長期休暇で実家に戻っていた俺は,姉ちゃんが弁当を忘れたとかで
母さんから姉ちゃんの職場まで弁当を届けるように言われたんだったな。

電車を乗り継いで地上本部に入ると,迷子になっちまって,
いろんな人に道を聞きながら姉ちゃんのところにたどり着いたころには
とっくに昼休みの時間だった。

せっかく弁当を届けてやったってのに,姉ちゃんは遅いって俺を殴るし。
でも,その時姉ちゃんの隊の隊長さんがよくしてくれて,
俺が士官学校に在学中って言ったら,訓練を見てくれて。
結局仕事を終えた姉ちゃんと一緒に帰るハメになったんだったよな。



俺は回想から意識を浮上させると,目の前にいるもう死んだはずの男を
まじまじと見つめた。

(・・・間違いないよな・・・)

その時男が口を開いた。

「・・・貴様は誰だ。なぜ俺を知っている」

「あんたは覚えてないかもしれないが,俺は一度あんたに会ってる。
 あんたの部下で8年前に作戦中に死んだエリーゼ・シュミットの弟だ」
 
俺は自分でも意外なほど冷静に目の前の男と話していた。

「シュミットの弟・・・あの時弁当を届けに来た子供か・・・」

「覚えていてくれて光栄だよ。じゃあ,おとなしく俺についてきてもらおうか」

「断る。俺にはまだやらねばならんことがあるのでな」

「そうかよ。じゃあ・・・いくつか教えてもらいたいことがある」

「・・・何だ」

「8年前,あんたの部隊は単独で突入作戦を実行に移した。
 結果として全滅したわけだが,あれはなんだったんだ?」

「あの時俺たちが突入したのは,ジェイル・スカリエッティのアジトの一つだ。
 そして,ナンバーズによって全滅させられた」
 
「ナンバーズ?」

「スカリエッティの戦闘機人達のことだ」

「戦闘機人だと!?」

「そうだ・・・むっ,時間か・・・」

ゼストはそう言うと踵を返して立ち去ろうとした。
俺は,ゼストを止めようとレーベンを振りかぶった。
だが,その手前で何かにはじき飛ばされ,木に叩きつけられた。

「がはっ・・・」

ゼストは倒れた俺に向き直ると,俺に向かって口を開いた。

「・・・お前の姉はまだ死んではいない」

「・・・なん・だ・と・・・」

俺はそこで意識を失った。



目を覚ますと目の前にはオレンジ色の空が広がっていた。

「・・・あ,気がついたのね。よかったわ」

シャマルの声がする方を見ると,6課の出動メンバー全員が揃っていた。
俺は痛む頭を押さえながら上半身を起こすと,シャマルに状況を聞いた。

「ガジェットを全滅させたのにゲオルグくんから返答が
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