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雲は遠くて
190章 信也の 作った 歌「 恋は 愛の ワルツ 」
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190章 信也の 作った 歌「 恋は 愛の ワルツ 」

 2022年10月26日の 水曜日。
 
 川口 信也は 会社から 帰って
新居の リビングでテレビを見ていた。

 NHKの『 クローズ アップ 現代 』だ。
タイトルは「 急増する盗撮 
暮らしに (ひそ)む 危険と対策 」。

 盗撮の 小型カメラを発見した女性に、話を聞く取材がある。
JR秋葉原駅の ホームに 隣接した 女性用トイレ。
カメラは、便器の後ろにある排水口のフタの奥に、黒く光って、あった。

 警察官からは『 トイレの場合、
飲みかけの紙カップを ゴミのように (よそお)って
ストロー に カメラを仕掛け、便器の後ろや
横の (たな)に置かれていることが多いので、
気をつけてくださいね 』と被害の女性は 言われる。

 全国 盗撮 犯罪 防止 ネットワークの 平松 直哉さんは、
「 スマホの普及や 小型カメラの精度の向上、
記録 メディアの大容量化などの技術の進化もあって、
今や 私たちが 安心して 過ごす どんなところでも、
盗撮 行為が 可能になってしまっています。
加害者が 仕込もうと 思えば、
すべての生活用品に 小型カメラを
仕込むことが 可能なんです 」
と 警告を 発信する。

 信也は、戦争を 起こしたりで、
相変わらず、人間は「(おろ)か」だと思っていたが、
「盗撮」も やっているのか!と (あき)れた。

 《 思えば、人間なんて、生まれたときは、
善や悪の 区別なんか 無いわけだよな。

 自然界にも 善や悪 なんて そも そも 無いんだし!
そんなわけで、善も悪も、わからないまま 大人になれば、
当然の成り行きで、悪事も 平気で 行なうわけだよな!

 じゃあ、どうすれば、悪人を 無くしたり、
一掃(いっそう)できるかといえば、
たとえば、学校で そんなことを 教育しても、
役に立たない、効果なんか無いよなあ。

 悪いことをすることの、スリルや激情とかの
破壊的な ()の 快感は、
オレも わからないわけじゃない・・・。

 やっぱり、子どものころや、若いころに、
『 良い 恋愛の 経験をして、
人間らしく 生きていくための
愛 や 自由 を 学習していくこと 』
が大切なんだろうなあ !

 愚かで 卑劣で 凶暴な 人間にならない 方法は
良い恋愛を経験するしかないだろうね !

 つまり、不幸にも、人生において
恋愛ができない、したことがない!
なんていうのは、悲劇になるのかなあ ?

つまり、そうなると、悪人も 悪事も
この世から、無くならないことになりそうだ。》

 信也は、自分の子どものころ
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