暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
怪獣じゃない
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が落下したのか。焼かれた粉塵が、真司たちとアカネたちの間に走る。
 アカネは続ける。

「私はそんな、人みたいな怪獣は好きじゃない」
「俺は……」
「ほら、その目。人間みたいな目してる。そんな見ないでよ……どこにでも……好きなところに行きなよ」

 火事ですっかり熱くなっているのに、アカネのその言葉だけは、とても冷たく感じられた。
 だが、アンチの表情は変わらない。
 じっとアカネとトレギアを見つめ、やがて口から流れる血を拭い取った。

「トレギア……!」
「さあ、ムーンキャンサーのもとへ向かいな、マスター」
「待って!」
「おっと」

 だが、足を踏み出したハルトの背後に、トレギアが回り込む。
 ハルトと真司が反応するよりも速く、トレギアの爪が空間を切り裂く。それぞれ転がった二人へ、トレギアは嘲笑う。

「ほらほら。どうしたどうした?」
「トレギアアアアア!」

 怪獣の姿となったアンチが、トレギアへ飛び掛かる。
 だが、トレギアの目から赤い破壊光線の光が現れる。連鎖的にアンチの体を爆発させるそれは、アンチの外装を破壊し、生身のアンチを投げ出させる。

「ハルト! 俺たちも行くぜ!」
「うん!」

 真司とハルトは、同時に変身の準備をする。
 それぞれ鏡と銀のベルトを腰に出現させるが、その前にトレギアは二人を手で制する。

「ここで君たちと遊んであげてもいいけど……折角なら、マスターを見届けたいかな」

 トレギアはそう言って、背後の壁へ黒い電撃を放つ。
 壁が破壊され、大きな穴が開く。そして壁の向こう側では、ムーンキャンサーの上半身が姿を現した。

「ムーンキャンサー!」
「アイツは……!」

 その姿に、ハルトは体を抑え出した。体に痛みがあるのか、顔を強張らせている。

「ハルト、どうした?」
「何でもない……それより、行くよ。アンチ君は下がってて」
「……」

 ハルトの指示に、アンチは逆らうことなく俯いた。
 自らが力になれないことを理解しているのか、彼はそのまま数歩下がる。
 そして、真司とハルトは共に声を合わせた。

「「変身!」」
『フレイム プリーズ』

 ウィザードライバーが赤い魔法陣を発生させるのと同時に、真司もまたVバックルにカードデッキを装填する。

『ヒー ヒー ヒーヒーヒー』

 周囲の炎を吸収していく赤い魔法陣。
 発生と同時に、無数の鏡像が真司にも集まっていく。
 やがて変身が完了した龍騎とウィザード。
 それぞれの目を赤く光らせ、龍騎はカードデッキから剣のイラストが描かれたカードを引き抜く。

『ソードベント』
『コネクト プリーズ』

 ウィザードも同時に、指輪で銀の銃剣を入手。
 トレギアを
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ