怪獣じゃない
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が落下したのか。焼かれた粉塵が、真司たちとアカネたちの間に走る。
アカネは続ける。
「私はそんな、人みたいな怪獣は好きじゃない」
「俺は……」
「ほら、その目。人間みたいな目してる。そんな見ないでよ……どこにでも……好きなところに行きなよ」
火事ですっかり熱くなっているのに、アカネのその言葉だけは、とても冷たく感じられた。
だが、アンチの表情は変わらない。
じっとアカネとトレギアを見つめ、やがて口から流れる血を拭い取った。
「トレギア……!」
「さあ、ムーンキャンサーのもとへ向かいな、マスター」
「待って!」
「おっと」
だが、足を踏み出したハルトの背後に、トレギアが回り込む。
ハルトと真司が反応するよりも速く、トレギアの爪が空間を切り裂く。それぞれ転がった二人へ、トレギアは嘲笑う。
「ほらほら。どうしたどうした?」
「トレギアアアアア!」
怪獣の姿となったアンチが、トレギアへ飛び掛かる。
だが、トレギアの目から赤い破壊光線の光が現れる。連鎖的にアンチの体を爆発させるそれは、アンチの外装を破壊し、生身のアンチを投げ出させる。
「ハルト! 俺たちも行くぜ!」
「うん!」
真司とハルトは、同時に変身の準備をする。
それぞれ鏡と銀のベルトを腰に出現させるが、その前にトレギアは二人を手で制する。
「ここで君たちと遊んであげてもいいけど……折角なら、マスターを見届けたいかな」
トレギアはそう言って、背後の壁へ黒い電撃を放つ。
壁が破壊され、大きな穴が開く。そして壁の向こう側では、ムーンキャンサーの上半身が姿を現した。
「ムーンキャンサー!」
「アイツは……!」
その姿に、ハルトは体を抑え出した。体に痛みがあるのか、顔を強張らせている。
「ハルト、どうした?」
「何でもない……それより、行くよ。アンチ君は下がってて」
「……」
ハルトの指示に、アンチは逆らうことなく俯いた。
自らが力になれないことを理解しているのか、彼はそのまま数歩下がる。
そして、真司とハルトは共に声を合わせた。
「「変身!」」
『フレイム プリーズ』
ウィザードライバーが赤い魔法陣を発生させるのと同時に、真司もまたVバックルにカードデッキを装填する。
『ヒー ヒー ヒーヒーヒー』
周囲の炎を吸収していく赤い魔法陣。
発生と同時に、無数の鏡像が真司にも集まっていく。
やがて変身が完了した龍騎とウィザード。
それぞれの目を赤く光らせ、龍騎はカードデッキから剣のイラストが描かれたカードを引き抜く。
『ソードベント』
『コネクト プリーズ』
ウィザードも同時に、指輪で銀の銃剣を入手。
トレギアを
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