暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生のダイヤモンド婚式 
第四幕その二

[8]前話 [2]次話
「いや、こうしたものが普通に食べられるなんてね」
「いいことだね」
「お二人が結婚した時なんてね」
「昭和三十年代だね」
「こうしたものもね」
「そうそうなかったんだね」
「特にケーキがね」
 このスイーツがというのです。
「なかったのよ」
「贅沢なものだったね」
「紅茶もね、ハイカラなもので」
 そうした印象でというのです。
「そうそうはね」
「飲めるものじゃなかったね」
「いつも飲んでる人は」 
 当時はというのです。
「滅多にね」
「いなかったね」
「相当なハイカラ趣味か」
「お金持ちかな」
「そうだったわ、それが今ではね」
「こうしてだね」
「普通に飲めるわ、しかもロイヤルミルクティーなんて」
 この紅茶はというのです。
「聞いたこともなかったわ」
「そんなものだったんだね」
「ホットミルクとホットティーを一緒に入れるのよね」
「そうだよ、今じゃ普通に飲めるね」
「ええ、ただね」
 それでもというのです。
「あの頃はね」
「牛乳もだね」
「冷蔵庫も普及しだした頃で」
「牛乳が沢山あるとあの中で保存するから」
「それもなくて」  
 冷蔵庫もというのです。
「中々ね」
「飲めるものじゃなかったね」
「そうだったわ」
 昭和三十年代はというのです。
「本当にね」
「それが今じゃこうして」
「普通に飲めるわね」
「そうだね、しかもね」  
 先生はお静さんにそのロイヤルミルクティーを飲みつつ笑ってお話しました。
「イギリスのものよりもね」
「日本のものの方がなの」
「美味しいよ」
「そうなのね」
「お水がいいし」
 まずこのことがあってというのです。
「それに牛乳だってね」
「日本の方が美味しいの」
「うん、かなりね」
「そうなのね」
「お水の質がいいのは土地がいいからで」
 それでというのです。
「乳牛はその土地に生える草を食べてお水を飲むね」
「そのいいお水をね」
「そうするから」
 だからだというのです。
「牛乳もね」
「美味しくなるのね」
「そうだよ、ちなみにイギリスのお水は硬水だよ」 
 こちらのお水だというのです。
「日本のお水は軟水だよ」
「その違いもあるのね」
「硬水で煎れる紅茶と軟水で煎れる紅茶はまた違うし」
「そのこともあるの」
「その軟水の質がね」
 日本のそれはというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ