暁 〜小説投稿サイト〜
冥王来訪
第二部 1978年
ソ連の長い手
崩れ落ちる赤色宮殿  その2
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
だ。
米国の核戦力の中核を担うとされている。
 初の実戦配備はベトナム戦争で、1965年から開始された、「北爆」で絨毯爆撃を行い、様々な戦果を挙げた。
 BETA戦争では航空機を一撃で消滅させる光線級の影響も大きく、時代遅れと思われていた機体。
ゼオライマーの活躍によってBETAの攻勢が落ち着きを見せてきたことによってふたたび日の目を浴びたのだ。

「明朝……、7月4日の6時には、ミンスク上空から爆弾の雨を降らせるつもりだ」
「202回目の独立記念日に合わせた花火大会ですか……」
タバコを取り出すと、火を点けた。
ゆっくりと紫煙を燻らせると、再び語り始める。
「国際世論の反対を懸念して、核弾頭ではなく、新開発のS-11爆弾を使う。
無益な殺生によって、ポーランドやバルト諸国の青年たちの命が失われるよりは良かろうよ……」

 超高性能指向性爆薬・S11。
戦術核に匹敵する破壊力を持つ高性能爆弾で、ハイヴ破壊を名目として開発された。
一部では戦術機に搭載して『特別攻撃』をするプランもあったが、米軍では却下された。
多大な費用をかけ、育成した戦術機パイロットを自爆攻撃で失わせる……
費用対効果からしてもあまりにも馬鹿々々しい作戦故、否定された。
 放射能汚染の危険性がない核にも匹敵する威力の新型爆弾。
一見魅力的に見えるが、あまりにも高価なために実戦配備が進んでいなかった。

「グレイ博士が作っている新型爆弾は実現するのでしょうかね……」
男はそう告げた後、椅子から立ち上がる。
「何もそんなものがなくても心配はするまいよ……。我等には無敵の機体ゼオライマーがあるのだから」
ドアの前まで行くと、ドアノブを掴みながら尋ねた。
「木原と言う男が信用できますか……」
「ミンスクの件が終わったら、私の所に呼ぶつもりだよ」
そう言うと、部屋を去る男をそのまま見送った。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ