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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 
第三幕その一
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                第三幕  老夫婦からのお願い
 この日は日曜日でしたが先生のお家に猫又のお静さんが来ていました、そのうえで先生にお話してました。
「今度三丁目の田中さんがダイアモンド婚式を迎えるのよ」
「六十年だね」
「そうなの、めでたいわね」
「うん、最近金婚式とダイアモンド婚式のお話をしたけれど」 
 先生はお静さんと一緒にお茶を飲んで三色団子を食べつつ言いました。
「実際にだね」
「その人達がね」
「ダイアモンド婚式を迎えるんだね」
「そうなのよ」
「六十年ずっと一緒なんてね」
 先生はお静さんに微笑んで言いました。
「こんないいことはないよ」
「そうよね」
「お二人共健在でね」
「しかも別れることなくだから」
「こんないいことはないよ」
「私もそう思うわ。長生きしているけれど」
 猫又としてです、猫が五十年生きると猫又になりますがお静さんはそこからさらに長生きしているのです。
「そうそうはね」
「見られるものじゃないね」
「ほら、昔は人間五十年って言ってたでしょ」
「敦盛だね」
「織田信長さんが好きだった」
「昔は実際に今より長生きする人が少なかったから」
 だからだというのです。
「尚更ね」
「夫婦がずっと一緒にいられるなんてね」
「なかったわ」
「そうだったね」
「それでなのよ」
 お静さんはお話を続けました。
「私にしてもね」
「滅多にだね」
「銀婚式はそこそこあって」
 そうしてというのです。
「見て来たけれど」
「金婚式になるとだね」
「殆どなくて」
「ダイアモンド婚式になると」
「もっと少ないわ」
「今でもそうだね」
「ええ、だからね」
 それでというのです。
「是非共お祝いしないとね」
「お静さんはそう思ってるんだね」
「そうよ、よかったら先生にも紹介するけれど」
 お静さんは先生に笑顔で提案しました。
「どうかしら」
「そうしてくれるんだ」
「先生がよかったらね」
「そうだね、ではお願い出来るかな」
 先生も笑顔になりました、そうしてお静さんにお願いしました。
「そうね」
「ええ、それじゃあね」
「そうしてね」
「そうさせてもらうわ」
「それではね」
「そういうことでね、しかしね」
 お静さんは先生に頷いてからこうも言いました。
「六十年、その間にね」
「色々なことがあったね」
「そう、六十年前っていったら」
 今から見ればというのです。
「まだ新幹線も走ってなかったわ」
「大阪と東京の間にだね」
「それで前のオリンピックもね」
「まだだったね」
「中止中止って変な人達が騒いでいたけれど」
 この前のオリンピックのお話もしました。
「開催出来てよかったし」
「その前のオリンピッ
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