暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十一部第三章 無関心でいられる訳その九

[8]前話 [2]次話
「そういうことよ」
「それがまさに政治ですね」
「その通りよ、だから」 
「国益を損ねない為にも」
「何としてもね」
「時を見ることですね」
「タイミングをね」
「わかりました、しかし私には」
 小柳は伊東にどうかという声で話した、二人は今首相官邸から少し離れた場所にある料亭の中にいる。そこで共に懐石料理を食べつつ話をしているのだ。
 それでだ、小柳は豆腐料理を一口箸から食べつつ言うのだった。
「オムダーマンが勝つとは」
「わからないのね」
「確かに今日の会戦では勝利を収めましたが」
「一度の勝利ではね」
「趨勢はわからないので」
「そうね、普通はね」
「はい、そうそう」
「そうよ、けれどね」
 それがとだ、伊東はさらに話した。
「わかるものよ」
「そうですか」
「政治の流れとしてね」
「それはわかるつもりですが」
「こと戦争については」
「どうも」
 小柳は伊東に難しい顔で答えた。
「わかりません」
「ならこう言うわね」 
 伊東は小柳と同じものを一口食べてから答えた。
「軍事、戦争もまたね」
「政治ですね」
「そうよ、政治問題の解決の一手段」
「それで、ですか」
「そこから流れをね」
 それをというのだ。
「読めればね」
「それならですか」
「わかるものよ」
 そうしたものだというのだ。
「これはね」
「そうですか」
「とにかくね」
 伊東は小柳にあらためて話した。
「今後サハラではね」
「オムダーマンがですか」
「統一していくから」
「では日本は」
「ええ、オムダーマンとね」
 この国と、というのだ。
「関係を深めていくよ」
「そうしていきますね」
「そうしていくわ、ただサハラとは」
 この地域との交流自体がというのだ。
「今の時点ではね」
「日本の外交や貿易における割合は」
「微々たるものでしかないわ」
「ゼロコンマ幾つの割合ですね」
「そうしたものでしかないから」
「日本が向ける力も」
「僅かよ」
 そうなるというのだ。
「ごくね」
「むしろですね」
「アメリカや中国といった国々が相手で」
「中央政府ともですね」
「向かい合っていくから」
 それでというのだ。
「サハラについてはね」
「オムダーマンとの関係を深めても」
「人間関係で言うとオフィスや学校で挨拶をする」
「その程度ですね」
「それも違う会社や学校よ」
 伊東は連合とサハラが別世界の様に離れていることについてこう表現した、そこまで離れているとだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ