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よく寝てこそ
第一章

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                よく寝てこそ
 ふわりはいつもよく身体を動かす、散歩の時も遊ぶ時もだ。
 実に楽しそうに身体を動かす、そして。
 寝る前にいつも大量のご飯を食べてからだった。
 ケージの中のクッションの上で丸くなって寝る、それは夏もであり。
「クゥ〜〜〜ン・・・・・・」
「よく動く娘だけれど」
 ふわりの飼い主である国崎家の主婦である由里子は気持ちよさそうに寝ているふわりを見てこう言った。
「よく寝る娘でもなるね」
「そうだな」
 一家の父である文太もそれはと頷いた。
「毎日な」
「一日の半分以上は寝てないかしら」
 由里子はここでこう思った。
「そうじゃないかしら」
「そうだろうな」
 洋介も否定しなかった。
「多分だがな」
「そうよね、猫がね」
 由里子はこの生きものの話もした。
「よく寝るわね」
「兄貴が言うには猫はな」
 弁護士である彼から聞いたことを話した。
「寝る子が語源らしいな」
「そうなの」
「だからよく寝るのがな」
 それがというのだ。
「猫だ」
「そうなのね」
「けれど犬もな」
 ふわりもそうであるこの生きものはというのだ。
「よく寝る生きものだ、だからな」
「こうしてなのね」
「よく寝てこそな」
「いいのね」
「ああ、だから散歩や遊ぶ時間以外はな」
「ああしてなのね」
「寝たいだけな」
 ふわりがそう思うだけというのだ。
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