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少女は 見えない糸だけをたよりに
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 そこから、砂浜を目指して、そして民宿が近づいてきた時・・・バクだ。バクの声が聞こえてくる。あの子、私が近づいているのがわかるんだ。私は、走り出していた。

 繋がれているのに、私に飛びつこうとして・・私のほうから抱き着いていった。

「バク 海でいっぱい遊ぼうね 今日は水着持ってきたからね」

「かなみちゃん いらっしゃい こちらがお姉さんかい べっぴんやのー」と、おばさんが出てきてくれた。

「お世話になります 燿です」と、そして、直ぐに、水着に着替えて、砂浜に・・

「ちょっと 香波 大きな犬 つながれてないよー 大丈夫?」

「うん 大丈夫だよ おとなしいもん お父さんにも懐いていたよ」

「そっ そう 海ん中にも 入るのー?」

「うん いくよー バク」と、私とバクは波の中に飛び込んでいった。お姉ちゃんも後ろからゆっくりと入ってきた。

「お姉ちゃん そんなお風呂に入るんじゃぁないから、もっと、頭からばしゃばしゃとね」と、私は、お姉ちゃんに水を掛けていつたら、バクもお姉ちやんの側にジャンプして

「わぁー 香波 なにすんのよー 髪の毛が濡れてしまうと大変なんだからぁー」と、言いながら、私を沈めようとして・・その後も、バクも一緒に、はしゃいでいった。最後には、お姉ちゃんはバクに掴まって泳いでいたりもしていたのだ。

 夕食を済ませた後は、別段することも無く、お風呂から出た後、お姉ちゃんと暗い海を見ていた。遠くの島の灯りがポツンポツンと・・バクも隣に居る。巌さんが酒瓶を片手に、そして、お姉ちゃんに缶ビールを渡してきた。

「一緒して良いか―? この前、親父さんと飲んだよ 羨ましいのー こんな べっぴんが二人も居て 親父さんが言って居たよ 息子が居ないんだけど 上の子が後を継ぐって言ってくれたって だけど あの子が好きな男を見つけて幸せになるんだったら、帯屋はつぶれたって良いんだと いい父親を持って あんた等 幸せだよ 香波ちゃんのことも、絶対に幸せにするって言って居た」

「お父様 そんなことを・・」私、初めて、燿さんが涙を押さえているのを見たのかも知れない。

「あんたー 又 ぐだぐだとー お嬢さんの邪魔したらいけんよ かなみちやん 明日 海藻採ってきたら、かき揚げすっからよ 好きってきいとるけんな おばぁ・・」と、おばさんが言ってくれた。

 次の日の朝、私は、朝早く起きて、なんかの紐で編んだような草履を借りて、岩場に向かった。怖いので、バクも連れていた。お姉ちゃんも、後ろから付いて来ていた。

「お姉ちゃん 岩場は滑るから、そこで、見ていて」と、声を掛けて、私は海藻を採って戻ってきた。

「香波 あんなに 危ないこと 毎日 やってたのー」

 そして、その日の午前中も海に入っ
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