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漁師とイフリート
第三章
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「怒って助けた者を殴り殺すか燃やし殺すかと考えてばかりだった」
「誰がそんな風に死にたい」
「どうせ死ぬならいい死に方が一番だ」
「盛大に楽しい思いをして死ぬに限る」
「他にあるか」
「そうだな、死に様を選ばせることを言った」
 それをというのだ。
「なら盛大にいい思いをして天寿を全うしてもいいな」
「わし等はそれを選ぶぞ」
「絶対にそうするぞ」
「他の死に方はいらん」
「盛大にいい思いをして寿命まで生きるぞ」
「ではそうしよう」 
 イフリートは頷いた。
「お主達に乗っている船が沈んでもまだ足りない位の金銀宝石を与えよう」
「宜しく頼む」
「それをな」
「そしてそれぞれに立派な宮殿も与える」 
 これもというのだ。
「そのうえで美女を四人ずつ紹介する」
「その四人を皆妻にする」
「そうすればいいな」
「その後は料理人も紹介するからな」
 だからだというのだ。
「幸せに暮らせ、寿命までな」
「そうさせてもらうぞ」
「これからな」
「約束だからな、我等イフリートもアッラーの僕」
 このことは変わらないというのだ。
「だからだ」
「約束は守るな」
「そうするな」
「アッラーの名にかけて」
 まさにというのだ。
「そうする、では満足して死ぬのだ」
「これよりな」
「そうするぞ」
 兄弟でイフリートに応えた、そうしてだった。
 二人は実際に山の様な船に載せれば沈んでもそれでもまだまだある様な金銀財宝と宮殿と美女達を手に入れ。
 料理人を雇った、それでだった。
 二人で見事な宮殿の中で美女と美酒美食に囲まれ豪奢な服を着て話した。
「よかったな」
「死に様と言っても色々だ」
「満足して死ぬことも出来る」
「死に様を選べと言われてもこうすればいい」
「そうすれば助かるしだ」
 それにというのだ。
「幸せになれる」
「事実わし等は幸せになった」
「贅沢三昧でしかも美女達に囲まれている」
「もう満足だ」
「このまま寿命まで生きる」
「こんないいことはないぞ」
 二人で満面の笑顔で話した。
「あの時イフリートを助けてよかった」
「全くだな」
「最初は何かと思ったが」
「結果は最高だ」
「わし等は幸せになったからな」
 だからだというのだ。
「死に様と言われても驚くな」
「少し考えればいい」
「人は絶対に死ぬ」
「それならどういった死に方がいいか言われても驚くことはない」
「今死ねとは言われていなかった」
「それならこう言えばいい」
 天寿を全うすればというのだ。
「大金持ちになって宮殿に住んで美女に囲まれ美酒美食を楽しむ」
「そして寿命で死ぬ」
「それも死に様だ」
「それならいい」
「いい死に方をするなとわし等は言わなかった」
「今すぐ
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