暁 〜小説投稿サイト〜
私はいじわる 小悪魔が住みついた
6-?
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 試合が近いので、男子はシートバッテイングをやると言うから、私等はグラウンドの隅っこのほうでキャッチボールをしていたんだけど、鈴花とオーカだけ、先生に呼ばれて、ピッチングエリアで穣先輩と並んで投げてみろって言われていた。オーカにはキャッチャーみたいに座って受けるように言って居た。オーカは最初、受け損なったりしていたけど、そのうち、なんとか。そして、あの子、座ったまま、投げ返しているのだ。

 グランドでは、2年の島本先輩が投げていた。うちの2番手ピッチャーなのだ。そして、サードには、昂が守っていたのだ。それまで、サードだった梶原先輩はショートにまわっていた。昂は1年なのにレギュラーを掴みかけていた。他の1年生は、ベンチの前に並んで、時々、交代して守備についていたけど。

 順番に、ひととおり、バッターに立っていて、最後に1年生。昂の番だ。当たりはいいと思うんだけど、全部、守っている人の正面でヒットは無かった。最後、外野まで飛んだかと思ったけど、センターの人が横に走って行って取られちゃった。私は、心の中で取るなーと叫んでいたんだけど。

 そして、先生が、鈴花に交代して、今度は「香澄 投げて見ろ」って「鈴花 あっちいって ヘルメット被って、バッター」って。先生、いきなりやんと、私は思っていたが、鈴花ちゃんは「はい!」返事して走って行った。

「ひとし 遠慮せんでいいぞ ぶつけてもかまわん なっ 鈴花」と、先生が。鈴花ちゃんはうなづいて、ボックスに立っていた。打つ時は左ききなんだー。だけど、空振りばっかーで・・

「鈴花 振りまわし過ぎ だから、振り遅れているんだ バットに振られているぞ もっと 左の肘を折りたため」と、先生が叫ぶと、いきなり「バシッ」と音がして、ピッチャーの横を抜けて、センター前に・・。「おぉー そうだ その感じな もう いっちょう」と、先生も少し、びっくりしていた様子だった。

 練習が終わって、グラウンド整備している時に、昂に近づいて

「残念だったね 当たりは良かったのにね でも、空振りはせんかったな」

「あぁ でも、大きな声じゃぁ 言えないけど キャプテンの球とは違うからな あれくらいの球なら打たんとな」

「そーなんや やっぱり 男の子の球はちゃうなー ビューってくるんやもんな」

「そらそやろ 同じやったら おかしいやろー」

「なぁ 昂 ウチにも 打つ方も 教えて―な 夜でも出来るやろー」

「うーん 夜なぁー 真珠に襲いかかるかもしれんでー」

「そんなんしたら バットで殴り返したる」

 その夜、私は、又、お母さんに おねだりしていた。

「ダメ! この前も、クラブとか買ってあげたとこじゃぁない ダメ もう、お金ないからね お金持ちの家に生まれないで残念でしたわね」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ