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仮面ライダーAP
第11話 好きにしやがれ
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事実に驚嘆しながら。ギムレットは逆上に身を委ね、全力を使い果たしたGNドライブとターボを裏拳で薙ぎ払う。

 激しく吹っ飛ばされ、変身を解除されてしまった幸路と正信は、満身創痍の姿で地面を転がっていた。最後に残ったUSAは2人の身を案じつつも、傷付いたギムレットとの一騎打ちに臨もうとしている。

「……とうとう、一対一(サシ)になっちまったなァ? 在日米軍さんよ」
「お前ほどのタフガイなら、もっと正しく生きていける道もあっただろうに……残念だぜ」

 稼働時間はすでに、残り20秒を切っていた。間違いなく、次が最後の攻撃となる。それは、彼と対峙しているギムレットも察していることであった。

「光栄なお言葉だが……見ての通り、俺ァ馬鹿だ。禍継みてぇに口が回るわけでもねぇし、天峯ほど頭が切れるわけでもねぇ。ただ暴れることしか能のねぇ輩さ」
「そういうお前が生きていくための受け皿が……ノバシェードだったと?」
「ハッ、好きなように思えよ。誰が何を抜かそうが、結局は勝者が『真実』を作る。旧シェードの時だってそうだったじゃねぇか。テロリストを始末するための組織は、いつしかテロリストそのものにされていた……。お前ら人類はこれからもそうやって、体のいいサンドバッグを作り続けてりゃいい」
「なんだと……!」

 テロのない世界を願ってシェードを創設していながら、徳川清山(とくがわせいざん)による人体実験を把握出来ていなかったこと。事実が明るみになり旗色が悪くなるや否や、「対テロ組織」として生み出されたはずのシェードを「テロリストそのもの」として糾弾したやり口。
 人類が重ねて来たそれらの「業」をあげつらい、嘲笑するギムレットの言葉に、正信は血みどろになりながらも眉を吊り上げる。だが、彼が反論しようとする前に、ギムレットは「最後の一撃(スワリングライダーパンチ)」を放つ体勢に入っていた。

 もはや、どんな言葉も不要。彼の構えが、何よりも強くその姿勢を物語っている。USAもそんなギムレットの意向を汲み、「渾身の一撃(ライダースマッシュ)」を放つべく身構えていた。

「さっきも言っただろう? 俺ァ口なんて回らねえ。(コレ)でしか語れねぇ。……だが、それでいいだろう?」
「あぁ。……構わないぜ、俺は」

 稼働時間はもう、10秒しか残っていない。だが、それで「充分」であった。
 2人は同時に地を蹴り、残されたエネルギーの全てを、己の右腕にのみ集中させていく。練り上げられ、凝縮された「力」の奔流は、眩い輝きを放ち続けていた。

「……ぉおおぉおおッ!」
「スワリングゥウッ!」

 踏み込んだ地が裂け、両者の雄叫びが天を衝き。振り抜かれた鉄拳が、空を裂き轟音を立てる。

「ライダァァァァアッ! スマァアァァッシュウ
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