暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生とめでたい幽霊
第五幕その九

[8]前話 [2]次話
 昔の木造時代の道頓堀の写真もあってです。皆その写真を見て言いました。
「こんなのだったんだ」
「昔の道頓堀は」
「同じ場所とは思えないわ」
「同じ場所なのは何となくわかるけれど」
「それでもね」
「コンクリートの建物が増えるのは戦後だからね」
 先生も言ってきました。
「だから織田作さんの時代はね」
「こうしてだね」
「木造の建物が多くて」
「それでなのね」
「文楽とかのお店もあったのね」
「そうだよ、そして大阪自体もね」
 道頓堀だけでなくというのです。
「木の都じゃないけれど」
「木造建築だね」
「その建物が多かったんだね」
「そうなのね」
「そうだったんだ、そしてここを通って」
 道頓堀をというのです。
「法善寺横丁まで行って」
「夫婦善哉だね」
「あちらに行って」
「それで食べていたんだ」
「そうだったんだ、おそらく奥さんともね」
 この人ともというのです。
「一緒にここを通ってね」
「夫婦善哉に行って」
「そしてだね」
「あの善哉を食べていたのね」
「そうだったと思うよ、本当にここに来たら」
 その時はというのです。
「多くの人に頭の片隅にでもね」
「織田作さんを思い出して欲しい」
「そういうことね」
「先生としては」
「そうも思うよ、織田作さんは確かにいたんだ」
 かつてはというのです。
「この場所にもね」
「今は世界中から観光客の人が日本に来て」
「大阪にも来てくれて」
「それでこの道頓堀にも来てくれてるけれど」
「それでもね」
「それだけでなくてね」
「大阪の歴史も知ってね」
 そしてというのです。
「文学のこともで」
「織田作さんのこともね」
「少しでも多くの人に知って欲しいわね」
「是非共」
「本当にね」
「そう思うよ」
 心から思う先生でした、そうして。
 道頓堀にあるたこ焼きのお店でそのたこ焼きを買って食べるとでした、王子は唸ってこう言いました。
「やっぱり最高だよ」
「たこ焼きはだね」
「大阪に来たら」
「たこ焼きを食べないとだね」
「こうも思うよ」
「王子は随分たこ焼きが気に入ったね」
「日本に来てね」
 そうしてというのです。
「それでね」
「たこ焼きを食べて」
「もうそれがかなり美味しくてね」
 それでというのです。
「それでね」
「好きになったんだ」
「神戸の明石焼きもいいけれど」
 それでもというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ