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ドリトル先生とめでたい幽霊
第五幕その八

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「そうだったんだよ」
「そうだよね」
「ここに織田作さんがいてね」
「そしてだね」
「文楽を楽しんでいたんだね」
「そうなんだ、作品の登場人物達もおそらくね」
 彼等もというのです。
「大阪の他の場所を歩いて」
「これまで行ったところとかね」
「口縄坂とか夫婦善哉とか」
「自由軒とか」
「それでだよね」
「ああした場所も巡って」
「そしてだね」
 皆は先生の言葉を受けて言いました。
「この道頓堀もね」
「歩いていたんだね」
「今は観光地でもあって」
「阪神が優勝したら飛び込んだりするけれど」
「グリコもあって」
「けれどなんだ」
「そう、織田作さんの場所でもあるんだ」
 その一面もあるというのです。
「そのことは大阪の人達だけでなくね」
「ここに来た人達もだよね」
「知って欲しいよね」
「織田作之助さんという人がかつていて」
「その人が書いた場所で」
「歩いた場所だって」
「そのことをね、大阪全体をね」
 先生は温かいそれでいて遠くを見る目でお話しました。
「知って欲しいよ」
「全くだね」
「忘れられるには惜しい人だよね」
「ずっと読まれていって」
「記憶に残って欲しい人だね」
「心から思うよ」 
 その目で言う先生でした。
「本当にね」
「道頓堀の新たな一面を知ったわ」
 ポリネシアは先生にここでこう言いました。
「本当にね」
「そうだね、織田作さんの世界でもあったんだね」
 老馬も言いました。
「道頓堀は」
「そして文楽やお笑いの場所でもあった」
 ダブダブも今は食べもの以外のことに目と考えを向けています。
「そうだったんだね」
「時代と共に色々な場所も変わるけれど」
 ジップも考えるお顔になっています。
「道頓堀もね」
「かつてはそうした場所だったのね」
 ガブガブはその道頓堀を見回しつつ言いました。
「成程ね」
「食い倒れのおじさんや蟹やグリコだけじゃなくて」
「歴史もあってなのね」
 チープサイドの家族も言います。
「文楽やお笑いもあって」
「そして今に至るんだ」
「今はそこに阪神タイガースもあるけれど」
 こう言ったのはチーチーでした。
「阪神もない時代だね」
「まあ昔はこんな建物ないしね」
「今みたいなのはね」
 オシツオサレツも言いました。
「ネオンもないし」
「また違うよ」
「その頃の道頓堀も知りたいよ」
 トートーは織田作さんの頃の道頓堀について思いました。
「是非ね」
「うん、これから道頓堀の資料館にも行こうね」 
 こう言ってです、先生は皆と一緒に道頓堀にあるこの場所の資料館にも足を運びました。するとです。
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