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Fate/WizarDragonknight
御神木
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た。

「や、やった……?」
「フン」

 ウィザードと決して目を合わせないブライは、そのままラプラスが開けた門へ足を向けた。

「行くぞ。時間が惜しい」
「あ、ああ」

 ウィザードもまたブライに続いて、門に入ろうとする。
 だが。

「まだだ、異世界の武神共……!」

 その声に、両者は足を止めた。
 倒したはず。
 だが、武神鎧武及びその御神木は、まだ健在。
 至る所が未だに火の手が上がっているが、その形は未だに健在。その枝先にある蓮の花も原型を保っており、そこから、武神鎧武がこちらを睨んでいた。

「まだ我が野望は終わらぬ……!」
「お前、まだやる気か!?」
「邪魔をするなら、キサマから先に倒す」

 ブライが、再びラプラスソードを振るう。
 だが。
 その瞬間、地の底より突き上げられるような衝撃が見滝原公園を襲った。

「何だこれは……? 一体何が起こっている?」

 だが、揺れはどんどん大きくなっていく。
 やがて、ウィザードやブライさえも立っていられなくなるほどの揺れ。やがて木々が薙ぎ倒され、地面も割れていく。

「ほう……これは……」

 トレギアは、顎に手を当てながら頷く。
 そして。

「な、何だこれは!?」

 それは、武神鎧武の悲鳴。
 すでにウィザード達の攻撃により満身創痍となった武神鎧武と、彼を宿すその御神木。それを捕えているのは、地面の底から現れた、長い管。
 爬虫類の肌のような質感から、それはあたかもヘビのようにも思えた。ただ、その背筋には黄色の棘が生えており、怪物の質感を浮き彫りにしていた。
 それは、容赦なく神樹に絡みついていく。その数は、一つや二つではない。三つ、四つ。

「放せ! 放せ!」

 だが、蓮の花と一体になっている武神鎧武には抵抗する術はない。
 そのままヘビは、神樹ごと武神鎧武を地の底へ引きずり込んでいった。

「放せええええええええええええ! 我こそは天下をおおおおお____

 やがて、ウィザードは耳を塞ぐ。
 神樹が飲み込まれたところから、耳を塞ぎたくなるような音が聞こえてきたのだ。
 地下で何が起こっているのか、想像したくもない。
 ただ一つ、確かなこと。
 それは、武神鎧武の断末魔の悲鳴が途切れたこと。
 そして。
 地響きが、より酷くなったことだった。
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