暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
求められる成長
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ルに当てるようにバットを出して声を出しながら打つ!!」

カキーンッ

快音を響かせ高々と打ち上げられる打球。それはライトフェンスを飛び越え隣のサッカー部のグラウンドまで飛んでいった。

「うん!!大体こんな感じ!!わかった!?」
「あ……あんまり……」

いつもはやんちゃな子供っぽいのにバッティングになるとそれを全て打ち崩してくるような力を見せてくる彼女にはいまだに慣れない。しかも一度にいっぱい解説されるから何からやればいいのかもわからなかったし……

「優愛、一つずつやろう。そんなに一気には無理だから」
「えぇ!?じゃあ引き手からやろっか」

すごくしょんぼりしてる優愛ちゃん先輩を見て申し訳ないような気もしてくる。その一つ一つの行動が本当に先輩っぽくなくて後輩に教えられているような感覚になるのは気のせいじゃないんだろう。

「もう一球お願い」
「ほーい」

その頃グラウンドでは莉子さんと紗枝が澪さんからノックを打ってもらっていた。

「莉愛ちゃんはこっちに集中しようね〜」
ほへんははい(ごめんなさい)

今日の試合ではダブルプレーを取る場面がなかったからかそこを徹底的にしている二人。二人の連携は練習試合でもほとんど機会がなかったけど、それを感じさせないほどにミスがない。

「ボールに右手を当てに行くようなイメージでスイングするんだよ」
「はい!!」

後ろから視線を感じながらの打撃は緊張感がすごい。おかげで疲労がいつもより溜まっているような感じがする。

カキーンッ

指導されるがままにバットを振ってみるとライナー性の強い打球が飛ぶ。あまりにもいい当たりが出たことに打った私も驚いてしまった。

「いいじゃん」
「その調子でどんどんいこう」
「はい!!」

二人から見てもいいスイングができていたようでそんな言葉をかけてくれる。私は二人の指導を受けながら日が暮れるまでバットを振り続けた。




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