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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth27世界の行方は2人の女の決着に委ねられる〜PreludE〜
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――エテメンアンキ・玉座の間

天地統治塔エテメンアンキの最上層部に位置する、エテメンアンキの管制室でもある玉座の間。天井・壁・床、そのすべてが真っ白で、しかも直径が800mほどある円形状という事もあって実際の大きさを錯覚してしまいそうになる、そんな空間だ。
玉座の間が在る位置は高度21kmの成層圏。地上を見下ろし天上に座す、その言葉に相応しい場所だ。玉座の間の中央、背もたれが高い純白の肘掛け椅子――玉座に腰掛ける女性が1人。
肩に掛かる灰色の髪、若干吊り上っている双眸は翠色。名をテウタ・フリーディッヒローゼンバッハ・フォン・レーベンヴェルト。
ベルカへと名が変わる前の世界レーベンヴェルトを統治していた王族の子孫であり、イリュリアの女王であり、このエテメンアンキを起動させて管理する天界王を名乗る者だ。


「っ・・・本当に、このような異常な戦力を持った者が列挙した時代があったのですか・・・!?」

そんな彼女は今、指を組んだ両手に額を当てて俯き、心底悲嘆に暮れているかのように呻いた。テウタの面前に展開されている空間モニターには、オーディンがミュール・エグリゴリを撃破したシーンが映されていた。それだけではない。彼女の、イリュリアの奥の手たるエテメンアンキの砲撃カレドヴルフを単独で防ぎきっている光景。
自信が、いや確信があった。カレドヴルフでなら必ずオーディンに苦汁を舐めさせる事が出来ると。しかし結果は、見るも無残。オーディンは七美徳の天使アンゲルスや巨大戦闘帆船アースガルド艦隊と言った反則を使い、世界の半球をすべて防御圏内としている。

「ガーデンベルグ様たちは一体どうしたのですか!?」

肘掛けに何度も拳を振り下ろしながら、“堕天使エグリゴリ”達が姿を見せない事に苛立ちを見せる彼女は、融合騎・マラークに問う。マラークの容姿は、真紅の長髪はポニーテール、瞳は翠色、服装は白のシャツとテイルコートにスラックスと言う男装。スタイルは、お世辞にも良いとは言えない起伏が乏しい。戦闘者にとっては問題ないかもしれないが。

「何かしらの御用があるとの事で、開戦と同時に皆様は姿を晦ましました」

「このような時に限って! 神器王を討伐するだけの実力を持ち得ながら、どうして!」

テウタはついに本気で願った。オーディン――いやルシリオンを殺してほしいと。その願いが実行された時、テウタにもたらされる結果は大きく分けて2つだ。1つは“堕天使エグリゴリ”を失う。もう1つはイリュリアがこの戦争に勝利する。
前者は、現状のルシリオンはセフィロトの樹から動けないという制限は有るが、記憶に関する制限が限りなく無いに近い。それはつまり遥か過去、中遠距離射砲撃戦において最強と謳われた神器王ルシリオンそのものだ。
セフィロトの樹の魔力を全て“エグリ
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