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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第三十六話 ダゴン星域の迎撃戦(前)
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速で接近!高熱源多数!」
「我が方も攻撃開始だ!撃て!」
オペレーターの報告にヒルデスハイム伯が反応する。
敵の意図は明らかだ、艦列の伸びきった我が方の艦隊の頭を切り離そうとしている。先頭集団は右に回頭しつつ横陣形に、中央部も敵方向に回頭、後部は三時方向に大きくスライドして横陣形を完成させた後、前進して敵小集団の後輩に回り込む…と行きたい所だが、敵小集団の後方に位置する敵本隊の存在が厄介だ。先頭集団は分断された体でそのまま前進して敵本隊と対峙した方がいいだろう。先頭集団が敵本隊を足止めしている間に、中央部と後部は包囲に専念出来る…。
「敵は少数ではないか。全艦で包囲殲滅せよ!」
…何だって!?そんな事したら…
「閣下、それはいけません、先頭はそのまま進ませるべきです」
「なんだと?」
「全艦で包囲してしまいますと、敵の本隊が急進して味方の先頭集団および中央の後背を衝く恐れがあります。先頭集団は包囲の輪に加えずにそのまま進ませた方がよいかと愚考する次第であります」
「もうよい」
「は…?」
「もうよいと申したのだ!卿の指図は受けぬ。参謀の役目を解く」
「何ですと」
「何度言わせるのだ、参謀の任を解くと申したのだ…全艦で包囲だ、敵の小集団を包囲せよ!」
「…下艦許可を頂きたく存じます。此処にいても閣下のお心を煩わせるだけでしょうから」
「…好きにしろ。連絡艇を使ってよいぞ」
「ありがとうございます」
…任務を解かれたんじゃ仕方ない、が…後味悪いぜ全く…。






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