第二章
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「凄いんだから。私は貴女とずっと一緒にいたのよ」
幼馴染みだ、幼稚園から高校までずっと一緒で同じクラスだったことも何度かあった。お互いの家に行き来もしてきている。
「それならね」
「わかってるのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「太鼓判を押すわよ」
「私ならなの」
「大丈夫だから。むしろこうした時こそね」
「私はなの」
「やってくれるわ、だから腹を括って」
そうしてというのだ。
「今日の決勝はね」
「戦うのね」
「そうしましょう」
「そこまで言うなら」
幼馴染みの麻美子がとだ、それならと思ってだ。
すず子は一旦目を閉じて神経を集中させた、そうしてだった。
グラウンドに出てキーパーの場所に入った、試合は決勝に相応しい激しい鍔迫り合いでありその中でだった。
相手チームは何度もすず子が守るゴールに向かって来た、そのうえで激しいシュートを繰り出してきたが。
すず子は覚悟を決めている顔で身構えていた、その構えでボールを冷静に見てだった。
素早く上下左右に動きパンチやキャッチを繰り出した、敵の攻撃はかなり激しかったがそれでもだった。
すず子は動きだけでなく凄まじい気迫も見せて防いだ、前半も後半も一点も許さず勝負は零対零のまま延長戦に入りそれでも決着がつかず。
PK戦になった、するとだった。
麻美子は強い顔ですず子に言った。
「PKでもね」
「このままなの」
「お願いするわ」
こうすず子に言った。
「いいわね、貴女に任せるから」
「PKも」
「貴女が防いでくれたら」
それならというのだ。
「もうね」
「麻美子ちゃん達が」
「絶対に点を取るから」
すず子にこのことを約束した。
「だからね」
「わかったわ、何か今は」
「やる気でしょ」
「普段の私よりもね」
「貴女はいつもそうなのよ。リレーのアンカーの時も実力テストの時も」
「ここぞという時はなのね」
「腹を括ってね」
そうしてというのだ。
「凄い集中力を見せて」
「それでなの」
「凄い力を見せるから」
だからだというのだ。
「キーパーに選んだし今もね」
「私ならなの」
「絶対にね」
「防げるのね」
「そう、土壇場も土壇場でしょ」
「これ以上はないわ」
決勝のPKだ、サッカーではまさにこれ以上の土壇場はない。すず子もその通りだと答えるしかなかった。
「もうね」
「それならもうね」
「私ならなのね」
「やってくれるわ、頼んだわよ」
麻美子の言葉は揺るがなかった、そうしてだった。
すず子はPKに挑んだ、すると。
「防いだぞ!」
「また防いだ!」
「凄い反応だ!」
「物凄い反射神経だ!」
「この状況でよく動けるな」
「凄い度胸だ」
観客達も驚い
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