提督のBlackOps遍
糸口
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伝い出来ませんから……えへへ」
提督に褒められて、伊良湖は上機嫌だ。
「んぐ……しかし、ぷっつりと海賊行為の被害が消えたな」
「そうですね、丁度私達が各鎮守府の調査を始めた辺りからでしょうか?」
「いんや、その少し後だな。具体的には不正が見つかってその鎮守府で捕り物があった辺りからだ」
握り飯を食べながらではあるが、忙しなく議論をぶつけていく。話題は海賊行為が行われなくなった件。武蔵と赤城の言う通り、海賊行為を働いている者達を見つけ出す為に動き出してから少し後で、海賊行為はその被害が出なくなった。
「なら、海賊さん達は諦めたっぽい?」
「それはないんじゃないかな、夕立」
「だな。今は派手に動くと俺達に目を付けられると思って息を潜めてるんだろうさ」
「だが、奴等は恐らくだが普通の遠征が出来ない状態にあるのだろう?ならば、今の状況は最悪のハズだ」
遠征が出来ない、という事は資源は減る一方で増える事はあり得ないだろう。更に、遠征には鎮守府運営の為の資源の他に艦娘や提督、運営スタッフの生活物資を一緒に運ぶ意味合いも含まれている。それが完全にストップしてしまっている現状では、早晩文字通りに干上がってしまうだろう。
「ウチみたいに食糧自給が出来てるか、若しくは地理的に食糧の補給が可能な場所にあればその限りじゃねぇがな」
「ですが、食糧が補給出来る地理にあるのなら鎮守府用の資材もある程度確保出来るのでは?」
真面目な顔で赤城が尤もらしい事を言う。だが、両手に握り飯を持ったまま言うもんだから凛々しさが台無しだ。
「ふぅむ、そうなると海賊行為を働いてる奴等は小島……若しくは地理的に陸の孤島の様な場所に位置する連中、という事にならないか?」
ふむ、今の動きにくい状況下で切羽詰まるとしたらそうなるか。しかしそれをどうやって見つける?
「あのぅ……それでしたら私、役に立てるかもしれません」
そう言って手を挙げたのは、伊良湖だった。
「私、ブルネイの各鎮守府に出入りしている海運業者の叔父さん達ととっても仲がいいんですよ」
「ほうほう」
「それで昔聞いたんですが、お金を多めに払って配給の食糧にお酒なんかの嗜好品を混ぜてもらったり、配給の量を増やして貰ってる鎮守府があるらしいんです」
配給担当の食糧関係の会社も、海運業者だって商売だ。貰うモン貰って多めに売るなんてのは違法な品でも無い限りは問題にする方がアホらしい類いの話だ。
「で?そこからどうやって賊の本拠地を割り出すのだ」
「ですから、食糧の補給量の増えた鎮守府に的を絞れば少しは絞り込めると思うんですが……」
「成る程。しかし、その業者さんだって商売ですよ?そう簡単に
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