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おっちょこちょいのかよちゃん
161 羽根の強化
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う一つの目的を持ち始めた。

 その頃、紂王と妲己の屋敷。一人の少年は昼寝していた。
(・・・)
 いつもは学校で午後の授業に眠気に耐えながら受講しているのだが、ここに来てからはそのような苦痛はなくなった。何と快楽な地だろうと少年は思っていた。その時、誰かに手を握られた。
「え?」
 少年は起き上がった。いつの間にかこの屋敷の一人の少女が添い寝をしていた。
「あ、すみませんでした・・・。私、茂様に夢中になってつい・・・」
「いや、いいよ、気にしないでさ・・・」
 少年は女の子と寝るなど生まれて初めての事でとても驚いた事ではあるのだが、少し嬉しくもあった。もしかしたらこの子を好きな子にしても「あの世界」のように卑怯な事をしても愛想を尽かされる事や、遠くに住んでいるからという理由で別れが必ず来るという事はないだろう。
(えへへ・・・)
 少年は顔がにやついた。
「茂様、嬉しそう・・・」
「あ、いや、そんな・・・」
 その時、別の女性が入って来た。
「茂様、よく寝られま・・・、な、何をしているのですか、不届き者!」
「も、申し訳ございません!」
 添い寝した遊女は思い切り寝台の外へ出た。
「いいよ、僕は気にしてないよ!」
「まあ、茂様がそう(おっしゃ)るのであるならば・・・」
 入って来た女性は気を取り直して言葉を続ける。
「一緒に御遊びになりませんか?本日は茂様の住んでいたという国から取り寄せた玩具があるのです」
「うん、行くよ!」
 少年は部屋を出た。

 別のとある場所。ヴィクトリア女帝はクローマー伯爵の軍が壊滅したとの情報を耳にしていた。
「コノート公に続いてクローマー伯爵もやられた・・・!?」
「はい、倒したのは杖の所有者、そして嘗て我々の植民地化に反対したラクシュミーという王妃です」
「杖の所有者、ラクシュミー・・・!!」
 女帝は怒りで手が震えた。
「その者が動く目的は?」
「はあ、それは今の所不明です。しかし、方角からして中華の街に向かっています」
「どちらも抹殺しなさい。向こうの街の人間とも連絡を取り合って杖を頂く計画も立てるのよ」
「はい」
 女帝は軍の調整を図り出した。

 玄奘が出した巻物によってかよ子の羽根が緑色に光り出した。
「こ、これは・・・?」
「私の仏法の法力を貴女の羽根に流し込みました。この羽根があれば時には結界を張って守ってくれるでしょう。但し、結界も絶対の壁という訳ではございません。あまりいないとは思いますが、私以上の強力な仏法を持つ者には耐え得る事はできません。また、異教の能力(ちから)を得ている者との戦いとなりますと、私自身は何とか対処する事はできたのですが、その相手に対しては効くかどうか微妙な所です。しかし、それでも何も施しがされていないより
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