暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と幸せになる犬
第四幕その十一

[8]前話 [2]次話
「人ではね」
「救えないですね」
「そのままその人は人間の一生を終えて」
 そうしてというのです。
「後はね」
「本物の餓鬼になるね」
「姿形も餓鬼になって」
「そして餓鬼として生きるんだね」
「次の一生では」
「ずっと餓えと渇きに苦しんでいてね」
 そうしてというのです、先生は動物の皆にお話しました。
「お腹の中ではいつも寄生虫が暴れているんだ」
「そうらしいね」
「餓鬼ってお腹の中に虫が一杯いるんだね」
「しかも只の寄生虫じゃなくて」
「蜂とかゴキブリとかムカデで」
「いつもお腹の中を刺したりしてね」
「凄く苦しむんだ」
 先生は皆にお話しました。
「いつもね」
「餓えと渇きに苦しんで」
「まともなものは一切飲み食い出来なくて」
「それで虫にも苦しめられる」
「爆発も起こるし」
「最悪だね」
「そうなるんだ、けれど餓鬼になる位の人は」
 そこまで心根が悪いと、というのです。
「どんな宗教でも哲学でも救われないね」
「今言ったよね」
「先生もね」
「そうなるって」
「実際に」
「そう、そんな人はね」
 それこそというのです。
「神も仏も信じないし哲学もね」
「聞かない」
「そんな人は聞いても文句ばかりだね」
「正しい知識を手に入れずに」
「そんなことばかりだね」
「自分だけでね」 
 それでというのです。
「そんな風だよ」
「あの娘の前のご家族は餓鬼かな」
「もうそこまで堕ちてない?」
「お話聞くとそうだし」
「それじゃあね」
「もうどうしようもないかもね」
「そうかも知れないけれどやってみる価値はあるし」
 先生はしめサバを食べつつ言いました。
「ヤクザ屋さんでも更正する人はいるね」
「これまでの行いをあらためて」
「確かにそうした人もいるわ」
「それじゃあそんな人達でも」
「行いをあらためるかも」
「心を入れ替えるかも知れない」
「僅かでも可能性があったら」
 それならというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ