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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
監督の悩み
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た私たち。先輩たちはミーティングしてから帰るとのことらしい。
そんな中、私たちは先ほどの試合の感想を話ながら球場から出てきた。

「栞さんも伊織さんも完璧に抑えてたし」
「バッティングもすごかったもんねぇ!!」

エースである陽香さんがマウンドに上がることもなく抑えきり、打撃ではコールドゲームにするほどの攻撃力がある。終始試合を支配していたこともあり、私たちは興奮していた。

「でも先輩たち、途中から力入ってたよね?」
「それ思った。初回はスムーズだったのに、二回からなんか難しいボールにも手を出してたし」

瑞姫と紗枝はずっと何か気になっている点があるみたいだけど、それは私たちの耳には届かない。大盛り上がりの私たちは、先輩たちのかっこよかったところを話し合っていた。

「先輩たちに色々聞きたかったなぁ……」
「今度の練習で色々聞こうね!!」
「うん!!」
















第三者side

莉愛たちが帰路に着いた頃、ベンチ裏にあるロッカールームでは試合を終えた明宝の選手たちが監督を中心に円を作っていた。

「まずはお疲れさん」
「「「「「お疲れ様です!!」」」」」
「じゃあ今日の反省点……何かある?」

パッと手を上げる選手たち。監督である真田は一番最初に手を上げた少女を指名する。

「二回以降、難しいボールに手を出してしまっていたと思います」
「そうだな。そこは気になったな。他には?」

そこからも試合に出ていた選手も出ていなかった選手からも次々と意見が出てくる。それに対し真田は頷きながら、選手たちの意見を聞き入れている。

「他は?なら次はよかった点は?」

選手層が薄いからこそのミーティング。選手たちに様々な意見を出させ、しっかりと話し合いを行う。ミーティングの度に意見が飛び交うことがわかれば、試合に出ている選手はもちろん出ていない者も常に試合に注視できる。
それにより思わぬ発見が生まれ、劣勢を跳ね返すこともできると取り入れているミーティングスタイル。これが彼女たちの強さの証しとも言える。

「……よし、じゃあほぼ出たな。じゃあ俺からだ」

チームからの意見が出終わったことで監督からの総括を話し始める。その言葉に全員が集中し、聞いていることでより彼女たちの真剣さがわかる。
しかしそれが、彼の中での不安要素でもある。

(みんないい子過ぎるんだよな……ただ、それを言うと今度は煩くなりそうなのがいるから言わないんだけど……)

高校野球は礼儀作法が厳しい。そんなイメージがあるからか、子供の頃から厳しく指導するチームがどうしても多い。それはもちろん教育の一環である部活動においていいことなのではあるが、今まで勝敗に拘る野球に身を置
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