暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
春季大会開幕!
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先輩たちのこともよくわかっていない私たちはザワザワしていると、不意にそんな声が聞こえる。すぐ目の前にあるブルペンを見ると、そこで投げている栞里さんの背中には確かに9という数字がある。

「ピッチャーって1番なんじゃないの?」
「いや、そういう決まりではないんだけど……」

瑞姫に問いかけると、どうやらかなり基本的なことだったらしくタメ息を付いている。話を聞くと、背番号でおおよそのポジションは決まっているけど、必ずしもその通りに配置しなくていいみたい。

「特にピッチャーを今時一人で投げさせるなんてあり得ないからね」
「大体どこのチームも2、3人……多いと4人とかいるからね」

瑞姫と紗枝の経験者たちによる解説にへぇ、と声が漏れる。そういえばプロ野球とかでも先発とか中継ぎとか色々聞くもんね。そんな感じなのかな?

その後も先輩たちのオーダーを見ながら色々と話していると、いつの間にかノックも終わり、試合を開始するために両チームがベンチから出てきている。

「始まるよ」
「ほら、立って」
「え?立つの?」

突然瑞姫と紗枝が立ち上がり、私たちも何がなんだかわからないまま同じように立たされる。

「試合前の挨拶だからね。試合に出てない人もベンチに入ってない人も、しっかり挨拶しないといけないんだよ」
「そんなにしっかりしてるんだね」

確かに高校野球ってすごい厳しくて、それでいて礼儀正しさも求められているような気がする。それは試合が始まる際でも変わらないようなので、私たちも全員が相手チームの方へ向く。

「整列!!」
「行くぞ!!」
「「「「「おぉっ!!」」」」」

ホームベースの前に審判の人たちが立ち、真ん中の人が手を挙げたと同時に双方のベンチ前にいた選手たちが走り出し、お互いに向き合うように整列する。

「ーーーーー、それでは、始めます!!」
「「「「「お願いします」」」」」

審判の合図と共にお辞儀する先輩たち。私たちもそれに合わせるように頭を下げ、これから始まる試合に視線を注ぐ。

「あぁ……すごい楽しみ!!」

自分がやるわけではないのに、これから始まる試合を見れるだけで気持ちが高ぶってくる。一体どんな試合になるのか、期待に胸を高鳴らせながら、私たちは席へと着いた。




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