暁 〜小説投稿サイト〜
とある3年4組の卑怯者
31 友達(ほりこずえ)
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 日曜になった。みどりは堀の家に向かった。その時、堀の言葉が彼女の頭の中に蘇る。
《一緒に皆とも仲良くなろうね》
 みどりは自分以外にも堀に招待されたクラスメイトがいるのだからこれを機に彼らとも仲良くなりたいと思っていた。
 堀家に着くと、みどりはインターホンを鳴らした。
「こんにちは、吉川みどりです」
「あら、いらっしゃい」
 堀の母が出迎え、そして居間に通された。堀がいた。先に泉野も来ていた。
「こんにちは」
「いらっしゃい、吉川さん」
「おお」
 やがて、矢部やクラスメイトの保谷翔介(ほやしょうすけ)日山(ひやま)えつ()がやって来た。この6人で遊ぶことになった。
(私もこの中に入れるかな・・・?)
 みどりは己を非常に心配した。
「まず何しようかね?」
 保谷が聞いた。
「そうね、せっかくだから学校じゃできないことやりたいわね」
「んじゃ、堀さんが前に住んでいた場所の話聞いてもいいかな?」
 日山が頼んだ。
「もちろんいいわよ」
 堀が承諾した。
(堀さんが前に住んでいたところ・・・、気になる!)
 みどりも興味を持った。
「私は山梨県に住んでいたけど静岡県(ここ)と同じように富士山が見える所だったの。周りには葡萄畑もあって近所の農家の人からたまに葡萄を貰ったこともあるわ」
「そういや山梨県ってブドウが旨いんだったね」
 泉野が思い出すように言った。
「ええ、もちろん、他にも桃や林檎を栽培しているところもあったわ」
「うわ、フルーツ王国だね!いってみたいわ!」
 矢部が感激した。
「うん、私も皆を誘いたいわね!」
 堀も笑顔で言った。みどりも山梨県に行ってみたいと思っていた。 
「そういえば、ウチの従妹も山梨に住んでんだけど、水もウマいって聞いたことあるな」
 泉野が言った。
「そうね、富士山や南アルプスから天然水が取れるからね。すごく美味しいわよ。あと温泉もあるわ」
「わあ、ますます行きたくなっちゃう!」
 日山が手を当てて感激した。
「フフッ、私の話はこれくらいかな。みんなでトランプやらない?私持って来るわ」
 そう言って堀は一旦居間から出て行った。しばらくしてトランプを持って戻ってきた。
「まずババ抜きからやろうか」
「賛成〜!」
 こうしてトランプが始まった。みどりもゲームできるなら皆と楽しめると思った。
 ババ抜きが進んでいく。だが、みどりがババになってしまった。
「う、そんな、う、う・・・」
 みどりが泣き出しそうになる。堀を除く4人はまた厄介な事になると感じた。
「あの、吉川さん、泣かないで!もう一回やろう、ね!!」
 堀が慌ててみどりを慰めた。
「あ、はい・・・」
 もう一度ババ抜きをやる6人。そして、みどりが再びジョーカーを引いてしまっ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ