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イベリス
第十二話 四月を過ごしてその四

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「このね」
「梅干しね」
「そうした塩系のもの食べて」
「それで毎日飲んでたのね」
「結構危ない食生活ね」
「糖尿病か高血圧ね」
「脳梗塞とか脳卒中とか怖いわね」
 皆でこう言った、そしてその娘はこのことも言った。
「それで実際に倒れたけれど」
「脳梗塞だった?確か」
「脳卒中でしょ」
「おトイレで倒れてよね」
「それで亡くなったのよね」
「やっぱり飲み過ぎと塩分過多で」
 そのせいでというのだ。
「倒れたらしいの」
「梅干しもお酒の肴だとね」
「かなり食べるからね」
「それじゃあ塩分摂り過ぎよね」
「しかも毎日だとね」
「それで謙信さん倒れたのよ」
 そうした生活が祟ってというのだ。
「まあ普通に食べていたら梅干しもね」
「大丈夫だからね」
「むしろ塩分は必要だし」
「あるなら食べた方がいいわね」
「酸っぱくて食欲もあるしね」
 食べる時にこうした話をしてだった、咲は食後昼休みを利用して学校の図書館に入ってだった。図書館の係の二年生に尋ねた。
「あの、歴史のコーナーは」
「五番の棚だよ」
 二年生の男子はすぐに答えた。
「そこにあるよ」
「そうですか」
「うん、好きなの読んでね、ただね」
「ただ?」
「借りるならここで手続きしてね」
「そうしてですか」
「借りてね、一週間だから」
 それだけだというのだ。
「延長したい時も来てね」
「わかりました、まあ借りる時は」
「こっちに来てね」
「そうさせてもらいます」
 咲はその話も聞いて歴史の棚に行ってそこで上杉謙信についての本を探してその本を見付けて読んでだった。
 クラスに帰って友人達に話した。
「実際に謙信さんって相当お酒好きだったみたいね」
「ああ、お昼の話ね」
「お弁当食べてた時ね」
「その時のお話ね」
「ええ、毎晩大酒飲んで」
 本に書いてあることをそのまま友人達に話した。
「戦の時もだったらしいわね、馬に乗ってもね」
「ああ、そうらしいらね」
「馬に乗ってる時も飲んでいてね」
「それで馬上杯作らせてね」
「それで飲んでいたのよね」
「だからね」
 咲はさらに話した。
「冗談抜きで酒豪だったのよ」
「毎日大酒を飲んで」
「それでだったのね」
「倒れたのね」
「それでお亡くなりになったのね」
「禁欲的なイメージあるけれど」
 謙信といえばというのだ。
「女性とは縁がなかったし」
「結婚しなくてね」
「毘沙門天を信仰してね」
「信仰心篤かったしね」
「まあ男色家ではあったらしいけれど」
「当時は普通だし」
「そうそう、当時普通だったのよ」
 咲はさらに話した。
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