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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
特別編 追憶の百竜夜行 其の十二
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まれた隻眼の雌火竜は、憎悪に満ちた凶眼でナディアを射抜く。だが、彼女という「姫君(プリンセス)」を守る紫紺の「騎士(ナイト)」は、すでにその懐に入り込んでいた。

「……ナディアを殺ろうというのであれば、まずは俺が相手になるぞ」

 ガルルガシリーズの防具を纏い、颯爽と滑り込んできたレノの鬼斬破は。鮮やかな弧を描いてリオレイアの両脚を切り裂き、その巨躯を転倒させている。

 そこからさらに、瞬きする間もなく。流水の如き刀捌きで雌火竜の全身を切り刻み、最後には尻尾まで斬り落としてしまうのだった。
 すれ違いざまに、忌々しげに自分を睨むリオレイアと視線を交わしていた彼は。普段と変わらない怜悧な面持ちのまま、こめかみに青筋を立たせている。

「……挑発的な目はやめておけ。俺はこう見えて、気に食わん奴には容赦がないタイプだ」

 訓練所時代から、アダイトやディノにも並ぶ成績優秀者だった彼の剣技は、実戦を重ねるに連れてさらに冴え渡っていたのである。そんな彼も、ヤツマの献身には敬意を評していた。
 だからこそ。そんな彼を跳ね飛ばした挙句、嘲笑うような咆哮を上げていたリオレイアにも、静かな怒りと殺意を燃やしているのだ。

 その闘志を宿して唸りを上げる、気刃斬りの乱舞。それを目の当たりにしたナディアは、同期達の中でもトップクラスの剣技に息を呑む。
 そんな彼女が、ランスよりも真っ直ぐなレノの眼差しに射抜かれたのは、その直後だった。

「レノさん……!」
「ナディア。お前がアダイトのように……常に、誰かを守るために戦い続けるのであれば。俺は、そんなお前を守る剣となる。今はそれだけが、ヤツマの覚悟に報いるただ一つの道だからな」
「そ、そういうキザなセリフを真顔で言わないで頂けますか!?」
「……? キザかどうかは知らんが、俺は本気で言っている。へらへらしながら真剣な話をする奴などいるものか」
「もうっ……アダイトさんといい、殿方は良くも悪くも変わらない人ばかりですわっ!」

 口説いているような文言を照れもせず、真剣そのものといった表情で言い放つレノの天然ぶりは、今に始まったことでもないのだが。訓練所時代から、その真摯な貌に心を揺さぶられてきたナディアは、頬を赤らめながらため息をついている。

「相変わらずお熱いねー、あそこのお2人さん! ……じゃあアタシはアツアツなカップルのためにも、お邪魔な奴を仕留めてやるとしますかッ!」

 その様子を上空からニヤニヤと見下ろしながら、翔蟲の力で颯爽と空中を舞うカグヤは――ヒドゥンブレイズを振り上げ、リオレイアの片翼を狙い急降下していく。

「アタシの修行の成果、あんたで確かめさせてもらうよッ! どりゃあぁあぁあッ!」

 その叫びと共に炸裂する、渾身の溜め斬り。彼女の全
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