暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
大変! お姉ちゃんが来る!
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
店の備品を一つ一つ確かめながら、定められている棚に収納していく。
 やがて、ほとんどのものを綺麗に収納してから、ハルトはぼそりと呟いた。

「……妹か……」
「ハルトさん?」

 思わずに動きを止めてしまったハルト。可奈美が肩を叩き、我に返る。

「どうしたの? ハルトさん」
「あ、いや……ほら、ココアちゃんって、つまり妹ってことでしょ? なんか、思い出しちゃって」
「思い出す?」

 可奈美が目を丸くした。頷いたハルトへ、可奈美は続ける。

「ハルトさん、妹いるの?」
「ああ……まあ、何て言うか……そういう可奈美ちゃんは、一人っ子だっけ?」
「私はお兄ちゃんがいるよ。だから、私も妹だね」

 可奈美はにっこりとほほ笑んだ。

「可奈美ちゃんも……妹?」

 ハルトは目を白黒させた。

「普段刀刀ばっかり言ってて、お人形遊びよりも剣遊びの方が喜びそうな可奈美ちゃんが妹?」
「ハルトさん今日はいつも以上に私にひどいっ!」
「お兄さんの苦労がうかがえるなあって」
「私そんなに手間のかかる子じゃなかったよ」

 可奈美が頬を膨らませる。

「それに、剣はいつもお母さんに鍛えてもらってたから」
「お母さんも剣バカなんだ……」
「うわあああああ!」

 すると、そのタイミングでどんがらがっしゃーんと、ギャグのような音が年季の入った店内に響いた。
 発生源の方___ホールの出口から続く、階段の方を見れば、そこには転げ落ちて足を大きく広げた少女の姿があった。

「うーん……」

 少女は、漫画のように目をグルグルと回していた。

「おーい、ココアちゃん。大丈夫?」

 額を床に押し付ける少女はハルトの声に顔を上げた。腫れた額を笑顔で誤魔化しながら、少女は足元を見下ろす。

「わ、わわわ! 荷物がめちゃめちゃに!」

 落ち着きのなく両手を振り回す少女。栗毛の髪と桜の髪飾りが特徴的な少女、保登心愛(ココア)は、散乱した荷物を一つ一つかき集め始めた。

「あらあらあらあら……」

 ハルトは彼女のスマホを拾い上げながらそんな声を上げた。

「しっかりしてよ。今日お姉ちゃん来るんでしょ?」
「うえーん……ごめーん」
「おお、韻踏んだ謝り方だね」
「うう……」

 ココアは涙ぐみながら、白い棒を拾い上げる。あまり少女の持ちものとしては似合わないそれに、ハルトも思わず首をかしげた。

「ココアちゃん、それは?」
「え? 何だろこれ……? 私、こんなの持ってたかな?」

 ココアもまた、同じように白い棒をグルグルと見渡す。だが、覚えがないのか、やはり芳しい反応を示さない。

「そもそも、この荷物何? どこに行くの?」

 可奈美が拾い上げたポーチを
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ