暁 〜小説投稿サイト〜
【自作イラスト追加しました】悪役令嬢に憑依させられたので、婚約破棄してきた婚約者の頭を掴んで宙に持ち上げてみた〜外は美少女中身はゴリラの異世界譚〜
これは夢の中の話……と思って安請け合いするのは止めましょう
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破棄だが、そこに選択肢はない。

 実際にゲームのような選択肢が出てくるかは別として、とりあえず修正可能な選択肢は…そこになければ無いですね?

「どうするの! 完全に積みというかもう少し早く呼べなかったの!?」
「ふ、ふえええ、じ、自分で何とかしようとしたのですが何故かこんな事に……」
「何故かってどういう……ああもう、時間がない、どうする、どうする……」

 私は狼狽しながら思い出す。
 人間切羽詰まると、それなりのアイデアが生まれることもある。
 因みに生まれなければ出来ないだけなのだが。

「もうそこしかないか。シナリオにないルートを選択する」
「未来予測ですか?」
「何が?」
「異世界の【物語】に準ずるものには、【未来予測】と言えるものがあるそうです。例えば、卵と牛乳とホットケーキミックスがあれば同じようなホットケーキ、つまりは似た結果という果実が得られる。だから未来予測になるとかなんとか。もしかしてそれもあって貴方を召喚できたのかしら」

 ほわわんとしたように言う彼女。
 今一この状況が分かっていなさそうだが、元々の召喚目的にズレがあるのでそれは当然かもしれない。
 それに彼女が言うには、同じような人物配置(ホットケーキの材料)、調理(ホットケーキの調理)、によって、似たような状況(出来上がったホットケーキ)が出来るという事を言っているらしい。

 並行世界なども含めて沢山ある物語の中にはそういったものも存在する……という事だ。
 もっとも今はそれどころではない。
 では、どうする? 

 彼女の話によると憑依によってこの体の支配権は私に強く移るらしい。
 私が悪人だったらどうするのか、という気持ちもしたが、そうまでして彼女はやり遂げたいことがあったらしい。
 その前に自分の事についても考えて対策白と言いたい気が私にしたが。

 でも。

「バッドエンドルートは、【意図的に】選ばなければそちらのルートに行かないはず。その【意図】がこのポンコツ令嬢だからで、【選ぶ】事になるのかしら?」

 それに引っ掛かりを覚える。
 引っ掛かりを覚えるという事は、何か問題がある可能性がある。
 勘のようなものだが、実は意外とこれは馬鹿にならない。

 けれど今は悩んでいても仕方がない。
 これから舞踏会で婚約破棄イベントだ。
 起こる事はゲームですでに学習済みだから、気分が悪いけれど、まあ、大丈夫だろうと思った私が甘かった。

「こんな状況になるまで放っておく婚約者がいるかぁあああああ」
「うぎょぼあぶえぇぇぇ」

 ついかっとなって私よりも二センチくらい背の高い婚約者の頭を鷲掴みにして持ち上げた。
 おかしな声を上げるのを聞きながらすぐに気絶した婚約者を見て、


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