暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
夏大会5回戦 熊谷実業
32話 お相手さん初回から飛ばしてくるねー
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白菊の前へ転がる。

 白菊はランナーをホームで刺す為に全速前進した。

――チャージは全力で。

 捕球体勢に移る。

――バウンドを合わせる時は7割に抑える??????。

 グラブに納めたボールを右手に握り替えた。

――8割で投げる動作に移り、腕を振り抜くっ。

 白菊から放たれた白球は一直線にホームへ向かっていく。ワンバウンドした送球は珠姫のグラブに入り、珠姫は空かさずランナーにタッチした。

「アウト!」

 このアウトでスリーアウト。新越谷ナインはベンチへと引き上げる。

「白菊ちゃん」

 正美は白菊に声を掛け、左手にはめたグラブを差し出す。

「ナイスプレー。練習の成果、ニョキニョキ表れちゃったね!」
「はいっ」

 白菊も嬉しそうに自身のグラブを正美のものと合わせた。






 久保田も3イニングス目に入るとギアが上がり、希と怜が打ち損じる程の球が投じられるようになった。それでも制球にはムラがあり、ツーアウトから三連続四球を与える。

 このチャンスで打席に入るのは先程好守でピンチを救った白菊。久保田が白菊に投じた白球はストライクゾーンに吸い込まれていく。白菊のバットはそれを捉え、ショートへと一直線に弾き返した。詰まってはいるが、白菊の持ち前のパワーにより球足は早い。

 守りのテンポが悪く、長時間に渡る守備により集中力を欠いたショートはライナーの打球判断が遅れてしまい打球をグラブから弾いてしまった。打球がショートとレフトの間を転がるうちにセカンドランナーがホームイン。二点を追加した。

「白菊ちゃーん、ナイスタイムリー!」

 正美の歓声に白菊は一塁で戸惑いながらもそれに応えた。

 続く息吹が三振に倒れ攻守交代となったものの、相手を0点に抑えた後にリードを広げる追加点を奪ったことで、新越谷は試合の流れをグッと引き寄せた。

 しかし、試合は再び停滞する。4回はお互いに無得点。正美も二打席連続で内野ゴロ。久保田の球威に押されていた。






 熊谷実業 3ー6 新越谷。
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