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MOONDREAMER:第二章〜
第四章 ダークサイドオブ嫦娥
第3話 月での合流
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の」
「これは失礼いたしました」
 依姫にそう言われて、勇美は素直に謝っておく事にしたのだった。
 何故なら、それは全くの見当違いであるからである。脳筋どころか、依姫が月の民の中でも特に柔軟な考えの持ち主である事は勇美がよく知る所だったからであるのだから。
 そして、勇美はいよいよを以て話の確信に迫っていくのだった。
「それで、私達の出番という事ですね」
「中々理解が早いわね」
 そう話の早い勇美に、依姫も有り難さを感じる所であった。そして、勇美はこの時を待っていたのだと満を持して想いを打ち明けるのだった。
「では依姫さん。私はあなたと一緒に戦えるのですね?」
 それは勇美が今まで渇望した事であった。
 ──憧れの依姫と肩を並べて共に戦う。その時を勇美がどれだけ待ち望んだ事であろうか。
 これで夢が叶うと勇美は心踊るのが抑え切れないでいた。だが、依姫から掛かってきた言葉は勇美が予想だにしていない内容であった。
「いいえ、今回勇美は私と一緒には戦えないわ」
「えっ……?」
 勇美はその言葉を耳にした瞬間、周りの時が止まったかのような体感をしてしまったのだ。
 折角自分が依姫と共に戦えるチャンスだというのに、それが出来ないとはどういう事なのか。
 その話の旨を依姫は説明していくのだった。
「今回貴方達三人を呼んだのは、貴方達にある任務に就いてもらいたいからなのです」
「と、言うと?」
 勇美は未だに納得のいかない心境でありながらも、その内容を律儀に聞き出そうとする。
 そこに入って来たのは豊姫だった。彼女は依姫の代わりに説明をしていく。
「ところで勇美ちゃん。いくら玉兎の数が多いと言っても、こうも簡単に月の都を制圧出来たのをおかしくは思わない?」
「あ、確かに……」
 そう豊姫に言われて、勇美はその内容に重々承知だという態度を示すのだった。
 その事について、豊姫は説明をしていく。
「月の都には、結界を司る三つの塔があるわ。それらの塔を玉兎達に占拠されたが為に、今の月の都はこんな状態だという事よ」
 そこまで聞いて、勇美は話の内容を理解するのだった。そして、その内容を言葉にする。
「つまり、私達三人をその塔奪還の為に向かわせるという事ですね」
「そういう事よ。そして、これは集団でやるよりも、それぞれが単独でやった方が小回りが利くというものよ。そして、それぞれの場所に三人を私の能力で送るという訳」
「成る程、分かりました」
 豊姫の話を聞いて、勇美は実に効率的な作戦だと納得するのだった。こういう任務は大勢でやるよりも単独の方がやりやすいというものだからだ。
「分かりました。その任務、受けましょう」
 ここに勇美の承諾は得られたのだった。そして、他の二人も異を唱える事はなかったのである。
 こうして、
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