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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
7.104訓練分隊V
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のは労力を使うのだ。
しかし平穏は突然破られた。銃声が森に響き渡る。
「来たか!警邏部隊、状況を知らせろ!」
「敵と接敵!数は二小隊。うちの隊だけで対応可能だ!」
「まだ相手の数を決めつけるな。絶対にまだ周りにいるぞ。」
「ああ、わかっ…うお!!」
「どうした!」
「敵が一気に増えやがった!正直数え切れない!」
「よし、後退しながら敵を引きつけろ。こっちから援軍を出す!」
「了解!早くしてくれよ!」
「巧、行けるか?」
「ああ。相手の数が分らないんだ。あと二人ほど付いてきてほしい。」
「そうだな崖から来るとしても少数で抑えられる。連れていけ。」
「了解!」


 警邏部隊の四人は内心焦っていた。敵の動向が異様なのである。通常の戦闘では人間は被弾を恐れ、銃撃戦になれば進行が遅くなる。まして相手の武装は模擬刀のみ。模擬戦とはいえ普通丸腰で突貫はしない。
 しかし相手の動きは止まらない。確かに遮蔽物を盾にするという基本的な事は抑えているが、撃たれることを微塵も恐れていない。味方を盾にして一気に走ることで、一人撃たれてもその分間合いを詰めてくる。少しずつ後退してはいるがもう距離はない。このままでは押しつぶされる。そんな危機的な危機的タイミングで巧の部隊が相手の横を突く形で奇襲を加える。その奇襲とに方向からの制圧射撃で敵の進行を止め撃退する。陸上歩兵隊はその事態を予想していたかの様に、動揺することなく隠れ散っていった。
「ありがとう巧。助かった。」
「……変だ。」
「?何がだ?」
「引き際が良すぎる。まるで援軍が来るのが分かっていたみたいに…。」
「はぁ?そんなことないだろ。確かにすんなり引いて行ったけど、相手の損害も結構でかいぞ。俺たちとお前合わせれば50人ぐらいは刈れたんじゃないか?分かってたならもっと慎重に来るだろ。」
「そうかもしれないが…。まあとにかく敵は撃退した。分隊長に連絡しないとな。」
巧は通信機を取り出し田上に連絡を取る。巧の感じた疑念を田上がどう解釈するか、早く聞きたかった。何かとんでもないことを見逃しているのではないのか?そんな焦りをごまかすかのように手荒に通信機を操作するが、田上からの応答はない。
 通信機から聞こえるのは無機質なランダムノイズだけだった。



巧たちを送りだして数分後、周囲を警戒していた田上達は恐るべき奇襲を受けた。崖下からなんの予兆も無しに相手が這い上ってきたのだ。その奇襲に田上は不意を突かれ脱落した。警邏に四人、巧たち援軍が三人。田上達は三人しかいなかった。最初の犠牲者は田上だった。下の道に敵が来るかどうか、その確認のために崖の端でスコープを使って確認しているとき、敵のライフルに狙撃されたのである。相手の武装はほとんどが模擬刀だけだが、数人ライフルを持っている
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