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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第35話 事後処理
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た。
「鈴仙さん、確かに今回のような事態が何度も起こってはいけない事は分かります。でも、純狐さん達の気持ちも無碍に出来るものではないって事だけは分かって欲しいのですよ」
「勇美さん……」
 鈴仙はそう勇美に言われて言葉を詰まらせた。この場で復讐心に無縁なのは自分だけなのだ。だから、その心を宿した三人に対して自分は下手に介入出来ない事は鈴仙とて判断出来る事であった。
「でも、それならどうすれば」
「う〜ん……」
 鈴仙にそう言われて、今度は勇美が言葉を詰まらせてしまった。
 確かに復讐心というものは無碍には出来ない。だからと言ってその心を野放しにしてはいけない事も事実なのであるのだ。
「まあ、取り敢えず。今度今回のような事があっても対処しやすくするように──私達が今よりももっと強くなるというのはどうですか?」
「どうですかってねぇ……」
 その勇美の脳筋な発想に鈴仙は閉口してしまった。いくら何でもそれは乱暴な発想ではないかと。
 だが、他に良案がないのも事実であった。だから鈴仙はこう言っておいた。
「仕方ないですね。早速永遠亭に帰ったら、一緒に特訓しましょう♪」
「そうこなくては♪」
 勇美とそのような会話をノリノリでしながら鈴仙は思った。──特訓しようとか、自分で言っておいて何だそれはと。自分も随分勇美に毒されたものだと心の中で自嘲するしかなかった。
 一方で、勇美の方も事態の解決をこのような体育会系的な発想だけで終わらせておくのは忍びなかった。なので、もう一つの事を純狐達に伝えておくのだった。
「純狐さん、ヘカーティア様。私はあなた方が今回のような行為以外での復讐の方法を見つけられる事を望みます」
 それが勇美の願いであったのだ。何故なら彼女はかつて目の前の二人のように復讐に囚われていた者を知っているからだ。
 その者も勇美に同じような事を言われて何かが変わったのだった。今では『人形解放』の事は完全には諦めていないものの、自分に磨きを掛けたりして建設的な行為をする事を自身の復讐として見出しもするようになったのである。
 勿論、今の二人の復讐心を抱いた内容はその者よりも遙かに重いので、一緒に扱える程容易な話ではない。だが、勇美のやり返すだけの復讐ではいけないという気持ちは同じように二人に向けられているのだった。
 勇美にそう言われて、純狐とヘカーティアの二人は暫く狐に摘ままれていたかのような感覚に襲われていたが、漸くそれも収まり気を持ち直して勇美に言うのだった。
「確かに、勇美の言う通りかもな。その事は頭の隅に置いておくよ」
「……」
 ヘカーティアは勇美に言葉を発したが、純狐の方は無言であった。
 無理もないだろう。彼女は自身の能力により復讐心が純化してしまい、今までずっとそれに囚われてしまっていたのだ。それ
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