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幻の月は空に輝く
アカデミー入学・3
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子に座る。座る時に小さな声で前を向いてろって言われたし。
 やっぱりこの微妙な視線に気づいたらしい。まぁ…露骨に見てたから気づくだろうけど。そしてサスケが終わったという事は、次は私の番だよね。
 はぁ、と勝手に漏れる溜息。だけど、これさえ終われば後は空気になれるから頑張れ自分と叱咤しつつ、私は全体を見渡すように視線を移動させる。
 サスケの後が悪かったのか、皆の視線がこっちを向いている事に内心涙を流したくなるけど、それを表に出すような表情筋はしていない。

「夜月ランセイ。趣味は読書。他、色々…か」

 鍛冶もだけど、態々言う必要はないよね。そうするとこれぐらいかな。チラリとサスケの方を見たら、もう十分だとばかりに頷かれたから遠慮なく椅子に座る事にした。
 ふぅ。
 あんまりというか全然喋れなかったけど、既に皆の視線は私から外れてるし問題はないかな。
 …というより、このクラスは個性的な子供が多いから、私が埋没して目立たないだけかもしれないけどね。





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