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Fate/WizarDragonknight
見滝原遺跡
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 見滝原の奥にある山。
 聖杯戦争の範囲ギリギリであるこの場所に、よりにもよって冬に訪れるとは、ハルトは想像すらしなかった。これでダンデムする相手が多田コウスケだとは、もっと想像しなかった。

「なあ、こっちでいいのか?」
「問題ねえ!」

 後部席にいるコウスケが答えた。
 マシンウィンガーで見滝原の中心を出てから、もう一時間は経つ。コウスケの目的地まではまだ遠いのだろうか。

「響ちゃん、大丈夫なの? バングレイと戦って、倒れたんだろ?」
「みなまで言うな。あいつのタフさは半端ねえからな。今朝にはもう復活したぜ」
「じゃあなんで俺に手伝い頼むのさ」
「今日ぐらいは休ませてやろうって親心……マスター心だ」
「ふうん……」

 ハルトは頭を掻く。ヘルメットを数回揺らし、凝った肩を回す。

「響ちゃんは今日何してるの?」
「あ? ちょっと街を出歩いてるぜ。なんでも、体がなんかグチャグチャして変な感じらしいぜ」
「それ大丈夫なのか?」

 渓流の橋を、マシンウィンガーが通過する。すでに人工物は道路しかなく、ガードレールも街灯もなくなっていた。

「落ち着けねえんだろ。オレも付いていてやりてえけど、響が昨日の分行ってくれって言ってたからよ」
「心配だな。えっと……」

 ハルトはバイクを止めた。川に沿った道に分かれ道があり、川沿いを続ける道と山の方に通じる道があった。

「どっち?」
「まだ川沿いだな」
「了解」

 ハルトは前輪を川沿いに向ける。もう一度アクセルを入れようとしたとき。

「……ん? どうした?」
「いや、あれ……」

 コウスケの声に、ハルトは前方を指さす。
 より山奥に繋がる道。車道に整備されたその場所に、一人、男が立っていた。

「誰だ? 登山客か?」
「冬にあんな軽装の登山客がいる?」

 その服装に、ハルトは違和感があった。茶色の民族衣装という、山どころか、街であっても季節には合わない服装だった。老人のように真っ白な長い髪と、日焼けしたような浅黒い肌。ハルトやコウスケとほとんど年齢差はないようにも思える。
 彼は、その髪の切れ間からその赤い目をのぞかせた。

「!」
「!」

 その直視で、ハルトは固まった。コウスケも固唾をのんで、彼の動向を見守っている。
 彼の右目に走る、赤い模様。幾何学的な模様のそれとともに、彼は口を動かした。

「目障りなんだよ……」
「?」

 見知らぬ彼は、確かに言った。

「戦いに勝つつもりなら、くだらない友情ごっこはやめろ」
「え?」
「おいおいおい、いきなり交通妨害して何言ってんだ!?」

 ハルトが彼の真意を考える前に、コウスケがヘルメットを脱いで彼に近づいている。

「いきなり
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